「きものコーデ」カテゴリーアーカイブ

国際女性デーにまとう水浅葱の色無地

今日は国際女性デー。女性の「主体性、平等、尊厳」の尊重を考える日でもあります。そんな日に選んだのは水浅葱の色無地です。
私の中で理想の女性像のイメージの色の1つとして水浅葱色があります。 その昔、まだ着物に興味を持ってまもない20代前半、 Kimono姫 ( 今の kimono anne)に載っていた笹島寿美先生の着こなしに衝撃を受けたのを覚えています。
 
水浅葱だったかもう少しグレーだったか・・の色無地に袖から覗く襦袢の線と帯締めだけか真赤に引かれていました。
その時、水浅葱と赤のコンビネーションは年を重ねた女性こそ潔くも色気のあるものとして映える素晴らしい色だな。と思ったのを今でも忘れません。
 
着物は年を重ねていくうちについた気迫のようなもので纏ってこそ美しいものもあります。
 
若い女性が着る爽やかな水浅葱もよし、年を重ねた女性が纏う気迫の水浅葱もよし。
 
本当に美しい色です。

私の普段着のナカミ

この秋は、コロナの影響でめっきりお出かけする機会がなくなってしまいましたが、通常では着物を着てお出かけすることも多いです。今日は、よそ行きという感じでなく普通の日の私のお出かけ着の中身を紹介します。

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これはは全くの私流ですので、流行りのすっきりきれいな着姿的なものを求める方にはあまり参考にならないかもしれません。

またこうしたら良いよ!と言うコツ的な感じなわけでは無いのですが、「ふーんこう言う人もいるんだな。」くらいに参考にしていただけたらと思います。

まずはパンツを履きます。(パンツの写真割愛)

その後ユニクロなどのカップ付キャミソールを着ます。寒いときにはババシャツも着ます。

腰巻をします。寒い時は2枚にします。腰巻は可愛い洋服用の生地で自分で手作りすることが多いです。上の部分は晒布にして紐付けています。やはりここは歩いているとチラリと見えるところなのでかわいい布で行きたいところです。

和装ブラや補正タオル等は一切しません。何故かと言うと好きじゃないからです。もともと私は洋装でもブラジャーとかガードルとかはたまたストッキングもあまり好きではありませんので極力それらを着ないような感じでやっています。

その後胴の部分が晒布になってる半襦袢を着ます。袖は筒袖にしています。アンティークやヴィンテージなどセカンドハンドの着物を着ると袖丈がまちまちなのでそれに合わせて襦袢の袖丈を合わせていると、たくさん襦袢を用意しなければいけないので普段着は筒袖でおしまいにしています。これでも全然バレません(バレない理由は後で説明します)。よくあるこういうよくある半襦袢、日本で2、3千円で上下セットで売られている2部式襦袢なのですが、この片割れの上の部分の半襦袢がウチの販売用着物の搬入時に時々潜り込んでくるのです。ちゃんとした長襦袢などは、結構外国人の方達に人気で売れるのですが、この外国人からしたら謎の上半分アイテムは、あまり魅力がないようなので売れ残ります。かわいそうなので私が着てます。

それの袖のところだけちょん切って筒袖に直してから着ています。

私はかなり胸が薄く、補正や和装ブラをしない状態で着るので胸元に緩みが出来ます。

それに対する解決策は

「まぁこれが私の体なんだから。」

と、気にしない

です。

自分には着付けの本に出ているような気姿は求めてません。(でもお客さんはちゃんとするよ!)

その後に長着を着ます。この辺は特にコツもなく普通に着ます。

そして普段は帯は半幅帯にすることが多いです。半幅帯でカルタ結びなどで背中をぺちゃんこにしてます。普段は車を運転するのでぺちゃんこなのが好きです。帯板は以前紹介したエコバック底板帯板を使用してます。

簡単な帯締めをして、その後男黒羽織を着ることが多いです。ここで女羽織を着てしまうと、シルエットがとてもフェミニンになってしまうため(良いんだけどね、普通はそれで 笑)なんだか私っぽくないのでここはいつもメンズの羽織を着るのが私の中でお気に入りです。

あとメンズの羽織の良いところは袖のところが空いていないので、どんなに着物の袖丈がまちまちでも全然バレません。これが筒袖でもバレない秘密です。

 女羽織だと長着と羽織の袖の長さが合ってないのがバレます。

ハンカチも入れても落ちません。しかし帰宅後ハンカチ取り忘れて数ヶ月後、再度着た時にモニュモニュになったハンカチが発見される事件は時々起きます。

その後草履の時もありますが、ほとんどは靴下と革靴の方が多いかもしれません。理由は運転しやすいのと雨が降っても大丈夫なのとマニッシュなシルエットが私のスタイルにはしっくりくるかなぁと言う理由です。

そして帽子をかぶって完成と言ったところでしょうか。

着物でも洋服でも、服を着られるようになる事は練習すればできるようになります。(洋服だって昔は練習したでしょ?パジャマでおじゃま)

しかし自分らしい着方と言うのは長年かけて築き上げるものです。それは単純に「綺麗に着られるようになる」と言う感じでなく「自分らしく自分自身を輝かせるコツが掴めてくる」

私も完璧にできるようになったか?と言ったら決してそうでもありません。洋服着るときだって料理だって車の運転だってこれぞ完璧!と言うのはなかなかないように、全ては永遠に続く課題です。

でも1回目より2回目、2回目より10回目の方が良くなっていくのは事実です。

着物も最初の1回目は早ければ早いに越した事はありません。そして回数を重ねるに越した事はありません。

回数を重ねたぶんだけ自分の体が分かって来ます。自分の体の愛おしさが分かって来ます。

是非これから着物を着たいな、と思っている方がいらっしゃったら今ではYouTubeでもなんでもある時代だからとっかかりは簡単です。

あとは自分の背中をちょっと押してあげるだけよ。

貴方の背中とお財布を幸せにする、帯枕の作り方

帯枕、帯の枕。英語にしたら帯ピロ一・・・。

それは一体何なんでしょう?

着物を着られる方ならお馴染みのこの道具、でも着たことあまり無い方だったらナンノコッチャ?のマニアック道具。

帯枕とは、現在の帯結びの代表的スタイル「お太鼓結び」などに使われる帯の結んだ箇所の上の方に仕込んで、もっこりカーブを描かせるだけに発明された特殊アイテムです。

なんか着物着てる方の帯がこういう四角い形になっているの見たことあると思います。 これがお太鼓結びって言うのですが、この上の方のカーブを出すときに使んです。

名古屋帯や袋帯を使った帯結びには必要不可欠なこのアイテム、実は簡単に作ることができるのです!しかもとても安く!しかもしかも世界中どこにでも手に入りやすいもので!

これは私が作った帯枕たちなのですが(一番上のものだけ比較のため既製品を置いています。)

中身はなんと洗車用のスポンジです。

オーストラリアでもその辺の雑貨屋さんやホームセンター、はたまたスーパーマーケットで簡単に手に入れる事が出来ます。価格も100円から200円位の一般的な洗車用のスポンジです。

これをちょっとチョキチョキチョキチョキと削って好きな大きさに削っていくのですが、柔らかいので工作用のハサミでどんどん切れます。ほんとにそれだけであっという間に素晴らしい帯枕になるのです。

見た目はちょっと悪いので、可愛い布などで包んだほうが良いのですが、包む布のもゴワゴワしたものでやってしまうとそのスポンジの柔らかさが半減してしまうので柔らかめの布で包んであげて下さい。

これをさらにこのように30cmX150cmのガーゼで包んで使用するのです。(適当に縫っててごめんね)しかしロックダウン中と言う事もあり、現在私の手元にいいガーゼが無かったので、前にダイソー買ってあったガーゼを2つつなげて使っています。2つのつなげるとその縫い目から強度が弱くなってしまうので出来れば1枚の長いガーゼを使う事をおすすめします。

また海外の方で日本のガーゼが手に入りにくい場合は、チーズを漉す時に使うCheese Clothと言うものが調理道具屋さんや手芸屋さんで手に入りますので、これが日本のガーゼの代わりとして割と使える事が判明いたしました。

実はこの帯枕、材料が安いだけでは無いんです。お太鼓結びの時にはその良さが分かりづらいかもしれませんが、振袖などの変わり結びなどの時に素晴らしい本領を発揮します。

例えばふくら雀など変わり結びの帯枕の当たる箇所が平面でない場合として、この2つの枕で比較しながら検証していきます。

まずはウチの一番の旧型「スナ170円号」、背中に当たる面が、とても硬い厚紙のようなものでできています。

これがボコボコしたところに当たると旧型スナ170円号ですとその結び目あたりで隙間ができてしまい、どうしてもきつく帯枕の紐を締めるか思いっきりぎゅっとするしかないのです。

そしてこの「新型洗車スポンジ号」、


新型洗車スポンジ号ですとそのスポンジの柔らかさがボコボコ面に入り込み、モニュっとフィットする感じが分かります。

これをガーゼで包むと、ここの引っ張る圧力が全体的に分散されるため、(赤く塗った箇所参照)

帯枕は絶対ガーゼで包むのをお勧めいたします。旧型帯枕ですと細い紐などがあらかじめ付いている場合がありますが、あれは安定しないばかりか線で抑えるため安定しない上に、着ている側にも圧力が1箇所のみにかかるので痛くなりやすく、着る側着させられる側、どちらにもあまり嬉しくない感じです。(赤く塗った箇所参照)

できれば細い紐を使わずに、面で圧力を分散させるガーゼ、(もしくはお好みでストッキングの方もいらっしゃると思います。)引っ張るところが広い面で力が分散されるものを使うのをお勧めいたします。

この洗車スポンジ枕のもう1つの利点は、飾り結びや体型に合わせていろんな大きさに調整して作れることです。コスパも良いので理想の形や大きさに合わせてどんどん作れます。

お子さま用や帯に小さな丸みを作りたいときは小さめの帯枕。どっしりさせたい時は大きめ。

用途に合わせてあっという間に作れます。

海外でも手に入りやすいもので作る帯枕、ぜひお試しあれ!

呉服と流行

今日は5月29日529(ゴフク)のごろに合わせて呉服の日と言う事だそうです。

呉服と言ったら着物のことを連想しますが、実は呉って中国戦国史なんかで耳にする魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の呉から来ています。
その当時は日本の主流の織物は麻や綿が主流でしたが、海外の呉の国から絹織物が日本に伝わり、その織物で作られた服が「呉服」と言う形の最初だったそうです。

いつしか時が経って着物全体のことを呉服と言うようになり、着物屋さんのことを呉服屋さんと呼ぶようになったとか。

その観点で言うと、呉服と言うのはその当時の中国から入った織物で作った全ての服と言う形になりますので、ドレスでもその織物で作れば呉服になっちゃうので、厳密にくくると、今で言う着物とはちょっと意味合いが変わってきますね。まぁそこまでうるさく言う人はいないと思うけど・・。


着物とは日本の伝統的な衣装として知られておりますが、実は昔からいろんな海外の影響を受けてさまざまに変化してきました。今で言う「着物」の形が完成されたは江戸時代の後期だそうです。 それぞれいろんな流行り廃りがありながら着物は変化し続けて来ました。

どんな衣服でも生きたファッションと言うものには流行はつきものです。

「流行」 流れて行くもの。

いつの時代でも流れていなければいけません。流れが止まった川は死んでしまいます。マナーを重んじる場でもそれなりの今の流行に乗った着物の着方を守らなければなりませんが。それすらも時代と共に人々の受け止め方はゆっくりと流れています。

着物はいろいろな形で影響受けながら、これからも何百年もかけてちょっとずつ変わっていけるいくもの、流れていくものそして変わっていく可能性がある服だと思います。

伝統が失われるからというからと言う義務感で着なければいけないのではいつかは着物は廃れます。

いつの時代もワクワクさせてくれるもの、自分自身を輝かせてくれるものという認識であればこれからも新しい流行を作りながら着物は存在し続けるのではないかな?と思うのです。

既製品以上の手抜きアイテム 帯板(前板)編

当たり前といえば当たり前なのですが、メルボルンではアンティーク着物屋さんなどを除いて、呉服屋や和装小物専門店などはありません。

あ!帯枕が足りない!とか言っても直ぐに和装小物店に駆けつけて新調するなんてことができないわけです。

マニアックな和装小物が欲しいとなったら日本に行った時に買うか、オンラインで購入するしかないために時間がかかります。

というわけで、こちらに住んでいる間に普段の生活で手に入るもので何か和装小物に代用できるものはないか?といつも目を光らせているのがくせになってしまいました。

その中で見つけたお役立ち小物をちょっとづつ紹介していきたいと思います。

正直、既成の小物よりムッチャ使いやすかったりするのでほとんど和装小物は買うことはなくなりました。

今回は帯板編。

帯板(もしくは前板)ってのは着物着る女性にとっては定番アイテムだったりするのですが、知らない人からしたら「何ですのん?」のミステリーアイテム。

ウィキペディア先生のよると

帯板(おびいた)とは、和服を着用する際に帯の形を整えるために使う小物。別名:前板

帯を締めたときに前帯にしわが寄って見苦しくならないように、また帯の張りを出すためにも使われる道具である。帯を締めるときに前面に挟み込むか、帯を締める前に長じゅばんの上につけて使用する。[

厚紙などを芯に布を張って作る板状の小物で、プラスチック製のものもある。幅、長さは前帯に隠れるサイズであるが、種類があり、大人の手のひらに余るぐらいの大きさの女児用のものから、帯の前面全体を抑えられる大きさのものまである。

1929年ごろ名古屋帯が商品化され、その後、芯を入れない八寸名古屋帯も考案され、これらの発展とともに帯板が生まれたといわれている。[

近年はレースが接着されて折り返して帯の縁から見せられるものも登場、着付けの補助具から装飾品のひとつになりつつある。

だそうです。

つまりこんなもの

これを帯の間に滑らせてスッキリぴっちり着姿を仕上げるアイテムなんです。

これもなかなか私こだわりがありまして、前にも話した、補正バリバリの鉄の寸胴の戦闘服には大きめの市販の帯板でいいと思うのですが、カジェアルな装いにこれを使ってしまうと、いい感じで力の抜けた着姿にならないのですね。かといって帯板なしで帯締めぎゅっと閉めると帯にしわがよって嫌だわ、ってな感じでちょっと軽めのものが欲しいわけです。つまりはスタイルによって使い分けるわけです。

まぁ、お菓子の箱などをそれなりの大きさに切って使うのもよしですし、でも一番おすすめなのがこれです!

このオーストラリアならどこでもある大手スーパーのグリーンバッグの底板。これを12センチくらいの縦の長さに切ります。横の長さはそのままで。

これが厚さ、軽さ、入れやすさ、コスパ、帯の仕上がり全てをクリアした素晴らしい帯板になっちゃうんです。これに出会ってから普段の私の着物のお出かけは市販の帯板が嫌になってこればかりになりました。是非オーストラリアにお住まいの方は試してみてください。

あと次に携帯用帯板、私、旅行の時など着付け道具を1つのポーチに納めないと忘れ物しがちなので全て1つに詰めて入れたいんですが帯板って小さいポーチに入らないんですよ。でかいから。

そこでこの前衿芯編で出てきたビニールシートの登場です。衿芯5本くらい取ってもまだかなり余ってると思います。厚さは 0.75ミリ〜1ミリがいいかな?それを好みの帯板の大きさに切ります。

それでくるくるっとするわけです。 ビニールに密着性があるのでくるくるのまま留まっててくれます。

これならポーチに入ります。

あと余談ですが、アンティークの着物を帯を幅広に昔っぽく着せたい時は帯板入れないでちょっと体のラインを見せながらクチャってシワが寄っていた方が美しいです。

着物の着姿というのは全くシワが寄っていないのが美しいのではなくて、どこのどのラインとシワを表現するのが美しいかと考えて行くと帯板や補正の考え方が変わってくると思います。補正も帯板もなければいけないものではなくて、自然な着姿を表現したい時はむしろない方がいい時もあります。

これは洋服の時、カーブを強調した補正下着を着て、美しく見えるドレスなどのラインの服もあれば、普通の下着でゆるい感じの方が美しい着姿の服の場合があるのと一緒です。

というわけで帯板編でした。

着物は誰でも初日で着られる

8月は毎年一番暇な時期なのですが、ありがたいことに今年は色んなイベントに呼んでいただき、なんだかバタバタしております。

もうすぐなんだかんだで七五三撮影イベントの準備もしなきゃであっという間。

今日はクライアントさん待ちの時間が出来たので、またブログを書けます!

シティでコーヒー飲むのは大体ここ、ラーメン屋とカフェは一度居心地がいいと感じたら浮気はあまりしません。

カフェ文化で有名なメルボルンですが、私はそこまで舌が肥えていないので、コーヒーの味より居心地重視です。

有名カフェともなると店員もお客さんも殺気だっているので、そこまでして美味しいコーヒーにありつきたいと思わない私です。 ちなみにラーメン屋さんも並んでまで食べるの苦手です。

というわけで今日は「着物を着る」ということについて自分の考えをお話しします。

私は自分で着物を着るようになって20年以上経ちましたが、今になっても「正解の着付け」が何なのか分かりません。

それ故に、なかなか着付け教室をお願いされても一歩が踏み出せないままいるのです。

教える側が正解をわかってないのに、教わりたい人にどうやって教えたらいいかわからないからです。

だって大体みんな「着られる」んですよ。 本当に、誰に何も教わらなくても。

何も見なくても。

みんなまずそのことをわかって欲しい。

マジです。

今そこに着物があったらもうその瞬間に着られます。

着物を着るだけの教室なんて必要ないです。

今から文章で書きます。

まず羽織った後、右手にある方の袖に右手を通します。

左手にある方の袖に左手を通します。

まえがピラピラしてるので左右に回します。 適当なひもをウェストに回し縛ります。

これだけです。 バスローブと何ら変わりはありません。

これが「着物を着る」

という事です。

でも何で皆さん着られないというのか?

私の勝手な考えですが皆さん「着られない」のではなく「今の流行の形に着物をスタイリング出来ない」という事ではないんでしょうか?

皆さんが「着たい」と言ってるのスタイリングレベルって、

襟元はじゅばんの衿が耳下から少しづづ見えて、正面の中心で数センチ半衿が見えるように重ねて、胸元はすっきりと、衣紋は握りこぶし1つ分空いていて、

背中は無駄なしわはなく、おはしょりは帯下から7、8センチ見えててすっきりと、裾線は床からほんのちょっと上がる程度で

右前左前が決まってて、お太鼓結びは左右対称すっきりと、帯揚げも帯から少し顔を出してる程度ですっきりと、もう色々すっきり etc… etc…

これって着るっていうよりホント「スタイリング」ですよね?しかもここまでできてないと「着られない」って言うのってかなり着るだけのレベル高くないですか?

着るってさっきも言ったけど袖通して前がピラピラしないようにするだけですよ!江戸時代前期までは着物もそんなに長くなってなかったから庶民は本当にそれだけだったと思います。ただ、江戸時代後半になって着物が裾ずっちゃうくらい長くなちゃったから面倒さくなちゃった、もっと言えば着付け教室がチェーン展開して着物の着方を一定のルールに押し込めてからなんかおかしいことになって来ちゃったです。

で、着付け教室って着るための学校とおもいきや、着物のマナー学校も含んでいます。なので「この場にはこの着物は合わない」とかまで入ってます。

いや、合ってます、それは合ってます。着物によって着て行っていい場所とやめたほうがいい場所があるのはわかるけどそれはもう「着る」と関係ないですよね?

だったら着たいだけの人の「着る」場所と「着物スタイリングマナー教室」と分けなきゃだよね?

それより幾らか着付けるようになって来たら、自分で「自分らしい着付け・スタイリング」を研究していきましょう! おはしょりがぶかぶかでも美しく見える人もいます。衣紋が全然詰まっていても美しく見える着姿もあります。

合わせ方も経験です。

でもそれはなぜそうなのか?と言ったら自分のスタイルを貫いているからだと思います。 貫くにはそれなりに経験と研究があってこそです。その経験と研究は着てこそ身につきます。Youtubeでもいいから見て、勉強して着て着て着まくるんです!外にでる勇気がなかったら家の中で着まくる!!

そのうち5年10年とするとなんか分かってきます。20年経った私もなんとなく自分のスタイルは分かってます。でもまだ正解ではありません。

ばあちゃんになって死んだ時までも正解はないかもしれません。でもそれだからこそおしゃれは楽しいのです!

コーディネート力もそう

洋服だって同じ デニム生地だったら結婚式に着て行くの難しいとかジャージでパーティーには行かないとか洋服だったらわかるドレスコードも着物にはあります。 着物が難しいんでなくて洋服だって難しいけどみんなもう洋服の合わせ方は割と身についているから簡単に思えるだけです。おしゃれを楽しんでこそ身につくことは大きいです。

そう、必要なのは「着替え力」でなく「スタイリング力」なのではないかと。

お洋服ですと3次元なのでもう形はできてるわけです。なのでスタイリングというのは服と小物の合わせ方だけなんですが、着物は2次元なので着物と小物の合わせ方だけでなくどのようにフィッティングして行くかというところまでスタイリングなのです。

そう、その布をどのように持って来て、どこで縛ってどう見せるかというのもスタイリングなんですよ。

そしてスタイリングの正解は1つではないはずです。100人いれば100人のおしゃれがあるように100人いれば100人の着付けがあっていいはずです。同じ着物、同じ帯、同じ小物であっても 補正はするかしないか、半衿をたっぷり見せるか、衣紋を抜かないか抜くか、帯揚げをたっぷり見せるか見せないか、帯締めを帯のどの位置に置くかなどで表情が変わります。

なので着付け教室でこう言われたからこれが絶対の着付けの正解、そこから形がずれたら「着崩れてる」=いけない事ってなるの

ってなんかうーーん・・って思っちゃう。

いや、中居さんとか着物が制服の場所ならいいと思うのですが、それ以外の場所のおしゃれかどうか?ってもっと自分で考えるものですよね?

はっきり言って私は右前か左前かのルールですらどうでもいいくらいの考えなので(今の時代反対にしてると死人とか不吉とか言われますが、実はそれもそうなった深い歴史があってそれを知ってしまうと、今のご時世右前と左前も実はどうでもいいじゃんとなってしまうのですが、それを出すとこのご時世荒れそうなのでやめときます。気になった方は「右前 歴史」でネットで色々検索してみてね)

んで話は逸れましたが、んじゃ「着付け教室」って必要ないの?と思いきや、

私はスタイリング力の高い先生について教わるのは有益だと思います。

スタイリング能力の高い先生を見抜くにはインスタや雑誌、ウェブでチェックして

先生そのものが「うぁおしゃれ!」と単純に思うくらいかっこいい。

その生徒さんが素敵。

とりあえず、あの人たちみたいになりたい!ってところを探すといいと思います。目標が定まりやすいです。

というわけで、私の着物を着るという考えについてでした。

個性的な黒留袖

黒留袖が大好きでして、まだまだ子供たちの婚期ははるか彼方なのに「いつかこれを着て子供の結婚式に向かう自分」みたいな夢をボワボワさせながら、一体子供達何回結婚式すんの?ってくらいどんどん貯めてしまいます。

ちょっと新しい前髪の練習をしていたついでに(?) 着て見ました!

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その中の私のコレクションの1つ、個性的な黒留袖。

良くあるような吉祥文様とかではないので、紋消ししたら付下げ風に着れちゃうかも?と思っております。

紋消しというのは。背中や胸、袖についた家紋を黒く塗ってなかったことにする匠な技でこの他に紋かえなども、日本では昔からある素晴らしいサービスです。

若い頃一度、これを使って黒紋付の紋消しして背中に刺繍でハートの一つ紋みたいにしておしゃれ着にしたこともあります。それはそれはたっぷりとした縮緬地の美しい黒紋付がリサイクルショップで1000円程度でした。

余談ですが、女性の黒紋付はなんかお葬式に着られる「喪服」のイメージが強いので、マイナスイメージでリサイクルショップでもかなり状態の良いものが安価で売ってたりします。

いやいや、イメージだけでかなり損してますよ!皆様!全然不幸の席だけでなくていいんですよ!

あれ、帯を変えれば結婚式にも着られる超フォーマルですからね!卒業式に袴と合わせて着てもいいんですよ!おめでたく着てもいいんです! だって男性の黒紋付になんのマイナスイメージないでしょ? あれと一緒です。 (どっちかというと、昔は喪服といえば白の方がメジャーだったらしいですよ。)

というわけで、紋消し、今では通販でもやってもらえる世の中です。便利ねー!

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あと、紋替えで一番お手軽なのがシールタイプです。

もちろんプロに頼んで変えてもらうのが一番ですが、それほどでもない時、シールタイプは便利ですね。このシールタイプかなり昔からあるのか、アンティークの男羽織を見ていて、裏地から見たら表と紋が違う、よく見たら貼り紋だったってことよくあります。結構よく出来ていてちょっと見ただけでは気づきません。

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色々便利な世の中ね。

着物1枚 帯3本

昔から着物1枚に帯3本とか言いますよね。
本当に帯によって1つの着物の表情が変わります。
今回は半衿も着物も変えずに白半衿に小紋で帯を変えてコーディネート比較してみました。

右から金糸の入った袋帯。大人しめのコーディネートであまり目立たなくしていたい時、


真ん中は可愛いハクション大魔王に出て来そうな壺柄名古屋、

左は大人し目の守りのコーデ こちらも名古屋帯。

ついでと言ってはなんですが、その時のスタイルによってメガネも変えてます。
大人しめにしたい時はコンタクトレンズで、マニッシュにしたい時は真ん中の写真のメガネ。普段のコーディネートには左のキャッツアイにしています。

現代よく使われる帯の種類は大まかに半幅帯、名古屋帯、袋帯と3種類ありますが、それをシーン別にどうやって使い分けていくか・・。
というのは着物ビギナーさんのお悩みの1つだと思います。
私はこれをハンドバッグに例えて説明しています。

まずは半幅帯はキャンバス地のトートバッグを持っていくシーン、近所の買い物やカジュアルなお出かけに使えます。

名古屋帯はレザーのハンドバッグを持っていくシーン、普段のデートやカジュアルなレストランなどに、

そして袋帯はおめかしシーン。パーティー用のクラッチバッグ。
結婚式やゴージャスなパーティーに。

シーン別着物の種類もいろいろ洋服にたとえて説明すると、みなさんすっとわかっていただける事が多いですがそれはまた今度お話ししますね。
みなさん着物はルールが多くて難しいと思う方が多いような気がしますが、私から言ったら洋服の方が全然難しい!笑 洋服もう私には不可能!

でもみんな少女からレディーになる中で洋服の知識ってある程度覚えていくものだから、ジーンズでは結婚式無理だなとか、このパーティーだったらこの程度のフォーマル加減でいいなとか、なんとなく身についているのよね。
でも着物となると大人になってから0から始める人がほとんどだから覚えることが多くて大変だと思われがち、いやいや、着物ってのはパターンてのがない分、1つ洋服より選択肢が狭まるのだから覚えちゃえばめっちゃ楽!

もうこれを語りだしたら止まらないけど、今日はこのへんでさようなら。

大正ロマン風スタイリング

Dengon Net  に毎月掲載の Kimono日和、6月号は大正ロマンスタイルのご紹介でした。

モッタリと肌に落ちる錦紗の感触は一度知ったらやめられない、アンティーク着物の代表的なもの、その中でも今回は素晴らしいカーネーションが描かれた美しい逸品です。

これ系の着物を美しく見せるスタイリングは「もっさり」を意識して。

今はなんでもかんでも着物はスッキリ着こなそうとしてる世の中の流れなような気がしますが、アンティークのタレものは特に「もっさり」です!

有り余るような贅沢な生地を持て余すように重たげなイメージで。

まずは半衿はたっぷり見せましょう!とりあえず着物の衿から襦袢の半衿を5ミリ控える・・事はしなくていい! 出しましょう!襦袢の半衿、飛び出してなんぼです。

おはしょりをスッキリ平行に・・しなくていい!もっさりとゆるいシワができる程度に、できる事ならたっぷり出しましょう。

帯板・・しなくていい! 帯が帯締めで凹んでも気にせず行きましょう。

帯揚げはスッキリ・・しなくていい?あえてぐちゃっとさせましょう・

お太鼓はびしっと四角に・・しなくていい!いびつに丸っぽくちょっと歪んでもいいです。

補正!なし!もう無しですよ!(笑)

なんかスッキリ着てないと不正解みたいな風潮ありますよね?

でも江戸時代や明治大正時代の着こなし見てたらこれ全部今でいう不正解?いやその逆で美しいのなんのって!

このリンクかなりおすすめですので、ここで着物がゆっくりと呼吸をしていた時代の着こなしを是非検索してみてください。

http://oldphoto.lb.nagasaki-u.ac.jp/jp/keyword.html

解説文のところに 着物 女性などと入れるとたくさん出て来ます。

 Kimono日和はメルボルンの日本語情報誌Dengon Net さんで掲載させていただいている着物コラムです。

オンラインでも読めますのでぜひ読んでみてね!

http://www.dengonnet.net/paper/2019/6/mobile/index.html#p=23

Kimono日和5月号 色無地スタイルその1

今月の着物日和の特集は色無地の着回しコーディネートでした。

一つの色無地で違う帯を使ってのスタイリングはメリハリをつけました。

こちらは友人の結婚式にお呼ばれした時などにおすすめのスタイル。

オフホワイトの袋帯にはうっすらと見えるかな?

前には1羽、お太鼓には2羽の孔雀が並んでいます。

2羽の孔雀は夫婦円満の象徴です。 他にもたくさんの縁起が良い意味が孔雀には込められています。

帯締めも少しメタリックがかった優しいブルーで統一感を出しました。帯留めはパールでよそ行き感を、帯揚げは絞りの変わりストライプでちょっと個性的にアクセントを。

kimono日和はメルボルンの日本語情報誌 Dengon Netに毎月掲載されているコラムです。

メルボルンにお住まいの方でしたら紙面でも見られますが他の方でもオンラインで見られますよ!

それにしても、毎回ヘアメイクさんにお願いできればいいのですが、

なかなかそうはいかない時も多々ありまして・・そうなるとKazariのハルさんと私でなんとかモデルさんのヘアを結い上げなければいけなく、そんなことを3年もやっていたら、かなり素人ながらに上達してきました!笑

見よ!この夜会巻き!