昼夜帯への愛

少し前、こんな可愛い柄の帯が紛れ込んできました。

可愛い牡丹の柄の名古屋帯。 でもこの名古屋帯、ちょっとこのままで結ぶと変なことになっちゃうんです。

ほらね、現代の名古屋帯のお太鼓の結び方をするとお花が下を向いちゃう。

こういう古い帯を見つけたらまず「お前はそんな姿で生まれてきたのではないのだろう?」と帯に語りかけてあげてください。

もしかしたら素性を語ってくれるかもしれません。

まずは腹を割って話すことから始まります。

腹を開いて(解体して)みるとやはりほんとは名古屋帯になりたくて生まれたのではなく、昼夜帯としてこの世に生を受けたことがわかります。

しかもこの帯の手の方が実はタレの印である界切り線がついていた。

昼夜帯は腹合わせ帯とも呼ばれ、裏も表も使えるいわゆるリバーシブル帯です。そしてもう現代には新しいものはありません。 大正時代頃まで使われていた昼夜帯や丸帯はだんだんと姿を消し、反対に布が少なくて済む、簡単に自分で締められるとの理由からその後開発された後に名古屋帯の爆発的な流行によってだんだんと姿を消していきます。元々名古屋帯の生地で名古屋帯になった子もいれば、このように昔の昼夜帯を仕立て直して名古屋帯になった子もいます。 柄の向きがどうもおかしい昔の名古屋があったらちょっと疑ってかかってもいいかもです。

今では帯のほとんどが半幅帯、名古屋帯、袋帯の3種類となり、昼夜のいろいろな結び方を教える教科書も現代のものはありません。絶滅してしまった昼夜帯ですが時々、アンティーク着物ショップにあったり、名古屋帯に仕立て直されたであろうアンティーク帯は結構見つかります。

そんな昔の結び方をした帯の特徴はタレからちょっと上の柄が逆さまな事。(この場合赤丸の柄が逆さま)帯によっては逆さまの柄の位置が違うこともあります。

逆さまだと大体昼夜帯、刺繍や織が豪華な帯は丸帯です。 丸帯は流石に重いので普段のお出かけというとり晴れ着用になります。現代で丸帯を使うシーンがあるとするなら花嫁さんのお引きくらいなものでしょうか。(私は使ってるけど 笑)

そんなこんなでこの名古屋帯をまた昼夜に再生させる計画をずっと練っていたのでした。

色々考えてこの帯に選んだ相手が如源の黒繻子。

アンティークマニアでしたらここで「あ〜!如源ね!」ってなるのでしょうか。

大体こんなマーク見たことある人いるかもしれません。

昔のものなので反対から読み「如源」です。

この如源の黒繻子は中国からやってきた織物で、今でこそ「Made In China」

と聞くと、もしかして安物?と思ってしまうかもですが、その昔、中国はとても優れた紡績技術を持っていました。 呉服の「呉」も実は中国。

呉服の本当の意味は「海外からやって来ためっちゃいい舶来生地で作った高級服」という意味でしたがいつしか着物全般の店を指すようになったそう。

ですのでこの黒繻子も昔は舶来の高級ブランドの証だったと思われます。

これみよ!とタレに現れる「金陵」の刺繍文字 今でいうプラダやヴィトンのロゴをこれみよがしに見せて歩くファッショニスタとなんや変わらないのではないでしょうか?

で、夜な夜なNetflix を観ながらチクチク・・三日かけて黒繻子と牡丹の柄の生地と合わせました。帯芯もちょっと足しました。

それで引き抜き結びで結んでみたら・・

ええ感じやーーーん! 前の胴にはアンニュイに横たわる一輪。

お太鼓部には紫の一輪どーーん! タレ先にはドヤ顔の如源ロゴ。

これぞ昼夜の真髄!みたいな帯になりました。

ちなみに普通に帯枕を使って現代のお太鼓に結んだらピンクの牡丹が出て来ました。

余談なのですが、私はこの名古屋帯+お太鼓が現代の令和でも流行の中心で大きな顔をしているのがほんと納得いかなくて、あんなに使い勝手の悪い帯、早く次の流行が来て無くなってしまえ!といつも切に思っているのです。

理由は本来女性誰もが持つ創造性を奪ってしまうから。

昼夜帯や丸帯しかなかった時代の着物の後ろ姿はいろんな個性的な結びがあって、人によってはぴっちりと、人によってはゆったりと、いろんな結びをどんどん発展させさぞや楽しい時代だったと思います。

(昔のいろんな帯結びをみたい方は「都風俗化粧伝」を画像検索してみてね!)

実際にいろんな結びを知りたい場合はまゆなべさんの講座がおすすめ。

それに引き換え名古屋帯はアレンジのききにくい長さと形、今はほとんどが全く個性のない四角ばかり・・ぴっちりしていなくては悪と言わんばかりの後ろ姿・・

面白くない・・。

これをヘアスタイルに例えてみます。

今まで自由にいろんなヘアスタイルを楽しんでいた時代に大正時代の誰かさんがお団子ヘアネットを考案したとします。 誰でも簡単にお団子ができる。

めちゃくちゃ流行って今までの自由なヘアスタイルはどんどん廃れお団子ヘアがマジョリティに。そのうちヘアアレンジ教室なるものが現れ、ぴっちり丸い一糸乱れぬお団子をヘアアレンジ教室で叩き込まれ、乱れたお団子はダメ扱い。100年経った今でも振袖以外の普段着物の時はただの丸いお団子ばかり・・そんなのめちゃくちゃつまんないですよね?まだ半幅帯の方が面白い。

と思ってたら最近大人の兵児帯など段々とまた女性の創造性を応援するような帯が出てきたではありませんか! 100年経ってあの昼夜帯の時代のように好きなように結んで楽しむ、そんな帯たちが主流になって名古屋のお太鼓時代から前に進んで欲しいのです!

そんなことを切に思いながら、この昼夜帯を締めたのでした。

それでも人間はアートを止めない

「今日を限りに絵画は死んだ」

ここ数ヶ月ちょくちょく触っているAIアート制作midjourney.

YukikoさんのAI Art講座を受けてからはや数ヶ月経ちました。

いやはや面白い、最初の段階でもかなり度肝を抜かされましたが、今思えばあれは序章に過ぎなかったように思います。

バージョンアップするにつれてさらに具体的に物事捉え作品によっては写真ではないか?と見間違うほどのクオリティだったりすることもあります。

しかし、またある否定的な意見をいただいたりしてちょっとAIアートについて私の現時点での見解を話してみようかなと思った次第です。

「今日を限りに絵画は死んだ」

1行目に書いたこのセリフは1826年、カメラが世間に出現した際に画家ポール・ドラーシュ言った言葉とされています。

それまでの絵画とはどれだけ写実的に描けるかというのが重要でした。しかしカメラの登場によってそれ以上に写実的に描くことは人間には難しくなったのです。

しかし実際にアートはその後死んだのでしょうか?

答えは否。

それどころかアートは別の道を進み出しました。

マティスの登場です。

マティスは今までの絵画とは見たままの写実的なものを忠実に描いていた絵画とは違い、下手とかうまいとかでなく自分の心で感じたものをアウトプットする形で皆が思っていたアート位置付けそのものを変えた人物。

アートとは見たものそのものを写すカメラとは違う方向に進み出しました。

その後キュビズムなどで有名なピカソも然り、 カメラではあんな表現は到底無理ですね。

その後モダンアートは進み1960年台にアンディ・ウォーホルが登場。

彼のアート作品の特徴は大量に刷られたマリリンモンローの印刷物。大量に作られた洗剤の箱

同じように機械的に作られたものをアートと呼ぶ、それまではアートは崇高なアーティストによって1つ1つ描かれ、芸術のわかる限られたアーティストと評論家のものでした

しかしアンディは「全ての人に開かれたアートを」というポップアートの考えで、アートとアーティストの境界線を壊し、芸術品とそうでないものの境界を破壊してしまいました。

一体アートとは何なのか?

そこに来て、このAIアートが去年くらいから世間を賑わせて来ました。

暗号のような文字を入れればその文章にあった絵が一瞬のうちに作成されます。

それもかなり詳細なディテールで。

果たしてそれはアートなのか?

そんな時に私はアンディ・ウォーホルのこの言葉を思い出します。

「人が美術作品として買うなら、それは美術作品だ」

それは見る側がアートと思えばアート。そうでないと思えばアートでないとも取れる言葉。

私はこのAIアートは見えない大きな世界に広がっているいわばビッグデータの写真のようなものだと思っています。

それがアートと思うか思わないかは本人次第。

ただしかし、著作権や個人プライバシーの侵害などの問題で法律的にある程度の規定はされていくだろうなとも思うし、そこは守るべきだとは思います。

そしてアートは無くなるだろうか?

私はこの時、再度この言葉を思い出します。

「今日を限りに絵画は死んだ」

・・本当にこの後アートは死んだのだろうか?

いや、今こそ人間としてのアートの概念が新しく変わるる時では無いだろうか?

そしてその概念を覆すすごいアーティストが生まれてくるのでは無いだろうか?

今私はAIアートそのものよりも、その概念を何者かによって覆される瞬間を待っているように思うのです。

そしてこの度是非おすすめしたい本が

「13歳からのアート思考」

この本おもしろすぎて一気に読み終わりました。

アートとは何か?とてもわかりやすく面白く書かれています。

着物界の逆襲!グローバル視点で勢いよく飛び出せ! 着物の未来への道!〜海外からの攻めと日本の反撃策〜

今回は、日本の伝統文化である着物の未来展望について、考えてみたいと思います。海外からの攻めと日本の反撃策、どんな結末が待っているのでしょうか?さあ、一緒に探ってみましょう。

まず、海外からの攻め!着物の魅力を知らない人々に向けて、我々はアクションを起こさなければなりません。そこで、着物体験イベントを開催することにしました。日本文化センターに挑戦し、着物着付け体験をする外国人観光客たちをお出迎え!彼らに着物の魅力を伝えるために全力を尽くします。

さらに、SNSを活用して海外に着物の魅力をアピールします。美しい着物の写真を投稿し、ハッシュタグで世界中のファッション好きたちを引き付けましょう。彼らが「着物ってスゴい!」と思ってくれたら、着物のデザインにも力を入れる必要があります。外国人の好みに合わせて、新しい柄やスタイルを取り入れるのです!遊び心を持った着物で、海外のファッションシーンを盛り上げましょう。

ところで、日本からの反撃策も見逃せません。まず、着物の普及に力を入れるべきです!若い世代にも着物の魅力を伝えるために、学校での着物着付け授業を提案してみました。そして、教師たちには「着物の着付けについて、テストがあります!」と宣言してみました。着物の良さを伝えるチャンスですね!

さらに、国際交流の一環として、外国人観光客に着物を無料でレンタルするプログラムを立ち上げました。おもてなしの心で、着物を着た外国人観光客が、日本の街を華やかに彩ってくれることでしょう。彼らが着物について質問をしてきたら、私たちが自信満々に答えられるよう、着物の知識を深める勉強会を開催することも検討中です。どんな難しい質問にも対応できる着物ガチ勢になりましょう!

さらに、海外の人々にも楽しんでもらえるよう、着物にちょっとしたユーモアを取り入れてみるのも一つの手かもしれません。例えば、日本の伝統的な柄には隠れたストーリーがありますよね。そのストーリーを面白く解説する動画を作ったり、着物のデザインに遊び心をプラスしてみたりするのです。海外の人々が「着物は楽しい!」と感じてくれたら、明るい未来が待っています!

最後に、着物業界全体の連携が不可欠です。業界団体や関連組織が力を合わせ、情報共有や協力体制を築くことで、着物の普及活動がより効果的になるでしょう。また、着物の素材や製造プロセスにおいて環境に配慮した取り組みを進めることも大切です。持続可能な着物業界を目指し、地球環境にやさしい着物を提供することで、世界中の人々に愛されることができるでしょう。

今回は、着物の将来展望について、海外からの攻めと日本の反撃策を考えてみました。着物は日本の誇りであり、文化遺産です。海外からの注目を集め、世界中で愛される存在になるために、私たち一人ひとりが行動を起こすことが大切です。着物の魅力を広め、笑顔あふれる未来を作りましょう。それでは、次回のブログでお会いしましょう。さようなら。

・・・と、ここまで読まれた方。何かお気づきになったでしょうか?

これ、実は全てChat GPTに着物の将来展望と海外視点からの対策としてブログ風に書いてとお願いしたものです。実は何も開催していませんし、何も行動していません 笑

タイトルもこの記事に対してコピーライター風に考えてもらいました。

はっきり言って和装業界に携わっている人にはこのレベルでは当たり前の答えかもしれません。でもChatGPTさんにグローバルな視点で着物をどう発展させていくかの質問に彼なりに答えてくれたように思いますね。まだまだChatGPTは英語に比べ日本語は弱いと言いますが、それでもこのレベルで日本語で瞬時に答えを出してくるのはすごいです。

数年後のこれが一体どんな風に変貌を遂げているのか、この業界にどれだけAIが入ってくるのか・・目を背けたくなる人もいるかもですがもう止めることはできないでしょうね。ちょっと怖いけどワクワクします。

日本の技術がそれを本当に愛している方達によって世界に広まりますように。、もう止まらないAIの進化とともに。

ちなみに挿絵もA Iにお願いして描いていただきました。

Queen Victoria Night Market の歩き方

メルボルンの夏と冬の夜の名物といえばQueen Victoria Night Marketです。
期間中毎週水曜日、午後5時から10時までQueen Victoria Marketで行われます。
平日の昼間はここはメルボルンの台所と言われ、たくさんの八百屋や肉魚、チーズなどが買えるマーケットですが、夜はガラッと雰囲気が変わってまさに縁日という感じ。
世界各国の料理の屋台がひしめき合い、ライブバンドの演奏、ストリートパフォーマーの演技、お土産に最適な雑貨屋さんなど、何時間いても飽きない観光名所でもあります。
私はここでもう何年も着物のポップアップショップを出しています。
ここではトラディショナルに着物を着たいと思っているお客はゼロ。ロングカーディガン代わりに着物を羽織ったり、壁にかけるためにと買い求められたり、着物スタイリストとしては、ここではどんな風にお客さんが着こなしているのか、着物を海外のファッションと融合させるにはどのようにしたら喜ばれるのか?ということを逆にお客さんから勉強させてもらえる絶好の機会でもあります。
そんなナイトマーケットですが、実は何年もここで働いている私だからおすすめできる、「ナイトマーケットの歩き方」があるんです。
今回はそれをご紹介します。
まず、入場は5時から、遅くとも5時半までには到着することをお勧めします。
車で来られる方はシティのラッシュアワー+駐車場でめちゃくちゃ混むので時間に余裕を持って家を出ましょう。特に小さなお子様づれの方はここまではマストです。
間違ってもお子様づれは6時以降に到着しないようにしましょう。人混みと待ち時間で絶対ぐずります。
そしてまず、メインエントランスから入って一番右のレーンがフードの屋台です。そこにダッシュして、お目当ての食べ物を見つけたら即ゲット。5時半前までだったら椅子に座って落ち着いてご飯が食べられると思います。6時以降はコンクリートの地べたに座るか食べ歩きになるでしょう。
まずここまでを必ず先に終わらせてください。
7時以降の食べ物ゲットはかなりの大混雑が予想されます。 覚悟してください。
お勧めの食べ物は?
全部美味しいのでもうなんとも言えません。でも一番最近食べたのはカキフライです。美味しかったです。
とりあえずお腹を満たしたら、次に先にトイレ、7時ごろからトイレもめちゃくちゃ混みます。待ちます。
ここも小さなお子様がいる方は時間に余裕を持ってトイレに行かせてあげてください。
そこまで終わってやっとゆっくりとナイトマーケットを楽しむ時間です。
真ん中のステージでは毎回いろんなアーティストのライブが楽しめ、人口芝生に座りながら音楽の世界に浸ったり、はたまた踊ったり。
みんな自由に音楽を楽しんでいる海外ならではの風景です。
メインエントランスから入って左手に行くとトイレがありますが、その付近の広場ではちょっと遅い時間から大人の雰囲気のライブ演奏が行われます。
冬のナイトマーケットはサイレントディスコというヘッドホーンをしながらみんなで踊って練り歩くスーパーパリピな大人気アトラクションもあります。
ひとしきりアトラクションを楽しんだ後は雑貨のお買い物。
うちの着物ショップに来て全ての財産を使って帰ってください。
・・と言いたいところですが、他にも素敵な店がたくさんありますのでお土産や自分へのプレゼントとして色々物色してみるのも良いかもしれません。メルボルンの有名ストリート名がついたフレグランスキャンドルなんて日本へのお土産に喜ばれそう。
夜もどっぷりふけて暗くなってきた頃、フード屋台とは全く反対側にある string bean alley 方面に行き、メルボルンの夜景をバックに映え写真を撮るのをお勧めいたします。
これらが私のお勧めコースです。
とにかく5時間じっくりいても飽きないナイトマーケット!
私なんか5年くらいいるもんね!
(使用させていただいた画像は Queen Victoria Night marketさんからのものです)Image resource:  Queen Victoria Night market

オタクとギャル

「今、いいレコード聴いてるから無理。」

高校の時の思い出として聞いた話なのだが、後輩が私に「遊びに出かけないか?」と誘いの電話をかけた時、私はこう言って断ったらしい。

オタク種 ギャル種。

世の中は大きく分けて この2つの人種がいると思っている。

 ここでオタクとは、ギャルとは何かの定義を検索した結果こんなことが書いてあった。

ギャル:女の子。 若い女性。 特に、明るく社交的で、流行のファッションを取り入れるなどの行動を通じ、感覚を共有しようとする女性についていう (コトバンクより)

オタク(おたく、お宅)とは、自分の好きな事柄や興味のある分野に傾倒しすぎる人への呼称。ある物事へ一般人よりはるかに熱中している人・詳しい人のことである。(ニコニコ大百科より)

ちなみに私の中の定義はこうだ。

オタク種: 推し(自分の好きな事、または人物)への費やす時間が何よりの幸せ。

他人がそんな自分をどう思おうが割とどうでもいい。(というか1人にしてくれとさえ思う時がある)

推しと自分の関係に集中しすぎるあまり自分のルックス、流行のファッションやメイクなどとは疎遠になりがち。

大きなパーティやクラブや交流会など、よく知らない不特定多数の人が集まる中にいるとすごく疲れる。

なんとなく誰とでも仲良くの人付き合いが得意でない。

推しの事を理解してくれる人と出会うと、水を得た魚のようにいきいきと話し出す。

ギャル種: 人との繋がりが大事。社交的。

自分が人からどう見られているかが気になるので流行に敏感で自分のルックスにも気を遣う。恋愛も友達作りも活発に出来る。

誰とでも気兼ねなく話せ、中身の無い内容でもその場限りでも楽しく盛り上がることが出来る能力の持ち主。

この私の定義の場合 ギャルといっても女性だけとは限らない。

男性も高齢者もおネエも入る。見た目がギャルとかそういうものでもない。

というわけで私は前者の生粋のオタク系である。

ここがまず割と誤解されている事が多く、私はなぜか色々なところに出没して社交的であるギャルタイプだと思われがちだ。

私も大人なので、1度仕事のスイッチが入れば色々なところへも行くし、仕事で話せとなればそれなりに誰とでも話せる。

ただ、プライベートの時間はとにかく家にこもりたいし、仕事が終わったら1秒でも早く家につきたいし、そんな貴重なプライベートの時間にクラブや本当に中の良い友達以外の飲み会に来いと言われたら時給5000円以上出してくれないと行くきにもならない。でも多分時給5000円もらったら嬉しくて無理やりでもなくニヤニヤしていると思う。ただ、無給で(時には自分のお金も出して)こんなところに行ったしまったら冗談でなく心も身体も本当に疲れてしまう。

私の中で世の中にこのギャル種とオタク種がいるとわかった(少なくとも自分の中でカテゴライズ出来た)だけで本当に心が楽になった。

それが分かり始めたのはある程度歳をとってからの事、

若いうちはそれなりに人に合わせたりもして、頑張ってし 沢山人がいる場所にも行ってそれなりに仲良くしようとしていた。その結果、情緒が不安定になった時もあった。

でもギャル種から見れば交流に誘うのが彼らのやさしさの表現なので決して悪いわけではないと言うのもわかる。好意的な表現なのだ。気持ちは感謝している。自分の気の乗らない誘いでもこの人はギャル種だからからこういう事を親切にしてくれてるんだなと、とりあえず感謝もできるようになる。

でも自分がオタク種とわかって、その交流に参加すると精神的に疲れると知った時からちゃんとお誘いを断れるようになった。

自分の身の守り方がわかるだけでもかなり気持ちが楽になる。

話はちょっと脱線するが、といってもこんな集いはオタクは大好きなんだ!ともろ分かってる歌がクレージーケンバンドから出ていた。

アメ車と夜と本牧と

歌詞抜粋

♪YOKOSUKA KAWASAKI SAGAMIHARA FUSSA
SEYAにZAMA ATSUGI
いろんな街からいろんなアメ車が ブンブンブブンブン
誰もが自分のクルマの事しか興味がないから
週末の夜は自分と自分のお祭りなのさ
Night For V8 Monsters♪

どんなに集まってても結局みんな自分と自分の推しにしか興味がない

そうそう、よく言ってくれたよ横山剣!

そうなんだ

アイドルオタクだとしても、コンサートには人が大勢いるようでいて

中身は一人一人のオタクと推しの1対1の集合体、推しと個人個人のお祭りなんだよ。 結局コンサートはいっぱいいるようで個人個人の集合体なだけ やはりそこもオタク種なのだ

そんなある時、メルボルンは世界一長いロックダウンに入った。

内容としては

1日1回 5キロ圏内 1時間のみのエクササイズ 必要不可欠な医療や食品の買い物以外での外出禁止家族以外の人と会うの禁止

オタク種からしたら毎日誰にも邪魔されず推しに全ての時間を費やしても世間的に許される人生のボーナスタイムである。

このロックダウンではっきりオタク種とギャル種の違いが表れた。

オタク種の方々は自分の推しに費やす時間が多くなり、いい意味で家の中でいそがしそうで生き生きとしていた。

ギャル種の方々は人と実際に繋がれないため、かなり苦しそうだった。

私といえば 散歩中推しの雑草を探したり、フィルムカメラでで写真を撮ったり、着物や帯と戯れたり、本を読んだりと毎日この上ない充実感を味わっていた。 経済的な見通しや先行きの不安などはあったと思うのだが、それすらも忘れてしまうほどの心の中の安らぎの場所に初めてゆっくりと足を踏み入れた気持ちがした。

そうだ、今までは仕事に終われ 色々な雑音に誤魔化され、30年間放っておいた

「今、いいレコード聴いてるから無理。」と言い放った自分の中のオタ子とこれほどまで向き合える時間が老後を待たずに来たことは自分の人生の中での大きな転換期となった。

自分の中で疲れると言うのは育児や仕事の量だと思っていたが、実は自分を疲れさせていたのは 自分の気持ちを無視しての集まりや仲良くしなければいけないという協調的な圧力やみんなで頑張ろうとなってる雰囲気の中での同じ波長で頑張れない自分への自己嫌悪だったことがわかったのだ。

これが気持ちが分かってからセミナーや講演会、交流会なども行くのをやめてしまった。

そんな!その場に行ってこそ得るものもあるだろ?

それもごもっともかもしれないがそれ以上感じていた、その場の熱気に無理やり自分を持っていかなければという心の疲れにこのロックダウンで気付かされてしまってはもうその気持ちを無視することは出来ない。

ちなみに私の気持ちを代弁してくれている私より説明が上手い方のブログも見つけてしまった。https://www.yutanosaka.com/entry/kouenkai-nigate

尊敬する人の話はその方のブログや本を読めばその人が一対一で語ってくれる。それでいい。それで十分だ。

誤解しないでほしいのだが、人と会うのが嫌いでは決してない。仕事モードに切り替えれば大人数も集まりも大丈夫だしプライベートも自分の好きなものについて語り合える方、私がオタ系と熟知してくれている昔からの仲間、2.3人でフフフとひっそりと笑い合える仲間と話すのは大好きなのだ。

オタ系の方は理解していただけると思うのが、例えば「着物」1つとってもかなりジャンルはかなり細分化しているので、「あの人は着物好きだからこの方と繋がったら良いと思うで紹介しますわ」という優しいギャル系の方からの親切も実は全然違うジャンルが好きだったりして、洋服で言ったら服が好きだから仲良くしなよとシャネル系とギャルそん系とゴスロリ系とスケーター系をいきなり紹介されてもでも仲良くしなければならないというプレッシャーだけが残り、話すこともなく、でも親切で言ってくれてるのも重々理解しているのでこれが本当に困っちゃう時も実はあるんです。

大丈夫です。オタクは放っておいてくれても自分と似た匂いがする場所は光に集まる蛾のように自分の力で寄っていくんです。

なので今まで私のようにモヤモヤしていた方がいましたら、もしかしたらあなたは私と同じオタク種かもしれません。

大丈夫です。オタク種でも生きやすい世の中になって来てます。というかいつの間にか昭和にはネガティブなイメージだった「オタク」という言葉も今では1つのことに長けているポジティブなイメージに変わってません?

あなたに合ったオタク友もインターネットのおかげで世界中から探せる世の中です。別に友も今の時代 人間でなければなんてこともありません。

あなたのオタ人生が楽しいものでありますように・・。

きものを自分で着るようになるビギナーコース第二弾

きものを自分で着るようになるビギナーコース
計3ー4回(1回につき40ドル) 毎回教室でお支払いください。(カード可)
詳しい内容はこちらを良く読み、同意していただいた方のみご参加ください。
人数制限の関係で初回のみこちらで必要事項を記入し、お申しこみください。

じゅ袢、着物、半幅帯(浴衣に使うような幅15センチくらいの帯)の着方をお教えいたします。
10月5日、12日、19日 (水)名古屋帯のお太鼓締め方の1回参加ワークショップは11月9日 にする予定です。
時間は11:00〜12:30時くらいまで
場所は2/9 Parsons Rd Clayton South になります。少なくとも最初のは3回全て出席できる方がいいと思います。
この教室は「とりあえず自分で着物に着替えて名古屋を結ぶ方法」をざっとお教えします。「着付け」という言葉を使うとたいそうに聞こえますが、結局ただ洋服から和服に着替えるだけです。

その後ポイントレッスンでここ80年間くらい着物界で流行っている(?)スッキリ着付けのコツも別枠で後日行う予定です。

なぜスッキリ着付けを最初から教えてくれないのか?名古屋帯はオプションなのか?と思いかも知れませんが、それは私は着るに当たってそこまで重要な事だと思っていないので後で興味のある人のみやりたい人だけやればいい。と思っている理由からです。
それ以上に大切だと思っていることは「自分の持っている着物を正面から向き合う、対話する」
「着られるようになる」ではなく「着るようになる」です。
今まで数々の「昔は御免除まで取ったのに」とか「昔は習って着られたのに・・」という方にお会いしました。
自分も着物に目覚めて初めての時、自分で着られるようにと市で運営しているカルチャー教室に通ったことがありましたが、だんだんと上手に着られるようになるとなぜか講師を含めみんなの目標が「着られるようになる上を目指す御免除を取る」にいつしかすり替わっている事に気づき、そこで一気に冷めて教室を辞め、そこからは独学で勉強しました。
最終目標が「着られるようになる」だと着られるようになったところで満足し、大体着られるようになったところでやめてしまいます。その後1年に2、3回着ようと思うようでは手は思うように動かないですし、はっきり言って時間とお金の無駄になるのでそれであれば私の着付けサービスをお申し込み頂いた方が安上がりだし仕上がりもいいかと思います。笑
目標が「着るようになる」だと一生着るようになります。実はここにはエンドレスに楽しいことが待っているからです。 それは本当に「着るようになった」方のみが体験できる言葉にはできないスペシャルな経験が沢山あるのです。
厳しい事を言いますが、着物を着るという事を料理に例えるなら着物を着る教室はいわばただの「調理実習」です。みんなでワイワイやってその場では着れた気になるだけです。本当に着れるようになるのに重要なのはその後1人でどこまで着たかという事です。
肉じゃが1つとっても初めて包丁を握った人間が料理教室で肉じゃがの作り方を覚え、毎月少なくとも1回は家で作り続け、自分なりに美味しくなるコツがわかり、さらに何年後かにキムチを入れたりカレー味にしたりといわば着物でいうところに「着崩す」というステージまでいけるようになります。
1年に1回だけ台所に立つようでは料理はできるようにならないのと似ています。
なのでこのコースでは家で何回か着ていただき着姿を画像を送っていただくという宿題が出ます。ということで家でも着てもらうためレンタル等は一切しません。自分の持っている着物を一対一で正面から対話する時間を取っていただきます。
ここでは格やサイズなどは一切問わないので自分の持っている着物のクセ、着心地、見た目を心から体験してください。
亡くなったお母さんやおばあちゃんから頂いた着物は特に、その方と対話する素晴らしい機会です。腰紐と半幅帯がない方はうちの店でもお求めいただけます。とりあえず最初の4回は3本必要です。
最初はサイズも種類もわからないと思いますが、それで大丈夫です。
とりあえずあるもので始めましょう!
必要なもの
Facebookアカウント(グループを作りますが、個人情報などはグループ以外には一切出しません)
きもの(長着)
半幅帯(浴衣帯)名古屋帯まで参加される方は名古屋帯、帯枕、帯締め、帯揚げ
長襦袢 (または2部式襦袢)
腰紐3本 伊達締め2本
洗濯バサミ1個
(全てうちの店でも購入可能ですので欲しい方は教室が始まる前にご来店ください)
あと衿芯(これは簡単に作れます)
あとあれば コーリンベルト 帯板
お店のオープン中の日もありますので当日は中に見えても良いTシャツやキャミソール、ヒートテックにレギンスなどを履いてお越し下さい。
ワイヤー付きのブラではなくカップ付きのキャミソールなどが理想的です。
実家から沢山送られてきたけど何がなんだか分からないという方全て持ってきていただければ1時間60ドルでカウンセリングもやっておりますので事前にお申し込みください。
教室がスタートした時点ではどれを着たら良いかという質問に1人ひとりお答えするお時間が取れませんのでご了承くださいませ。

お申し込みはこちらから

https://www.picktime.com/salaokabekimono

こどもとしごと

今回は子供と仕事について書いてみようと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、私には子供が2人おります。

高一の娘と中一の息子です。2人ともオーストラリアで産まれております。

もともと私たちは地元浜松の隣町の同級生同士で結婚した2人でしたので、当初は自分がオーストラリアに行くとも思っていませんでしたし‘、それに加え母親になるとも全く想像しておりませんでしたし、家庭を築く夢を持っているわけでもありませんでした。

子供の件に関しては全く未来が見えないので犬でも飼ってそれでいいかなくらいに考えておりました。

それが人生の悪戯でオーストラリアへ旦那と移住が決定、その後1年で妊娠発覚。しかし、実は妊娠に関しては実は計画的でした。

日本に住んでいる時には子供も持つことに色々疑問を持っていたのですが、オーストラリアに住み始めた頃から「ここで産みたい、子供を育てたい」と思い始めている自分がいたのです。これはかなりの変化でした。

理由は色々あるのですが、ざっくり言うと、「子連れ母さんがレストランやら街やらどこでも出かけててすごく幸せそう」「知らん人でも赤ちゃん連れてるとすぐさまみんな助けてくれる」「ギャーギャーしてても笑顔の視線しか受けない」雰囲気と言いますか、世界と言いますか。

お母さんが生き生きしてるように見えたんですね。電車に老人や障害者が乗ってきたら椅子取りゲームならぬ 我先にと席を譲ろうとする椅子譲りゲーム。

困っている人がいたら誰でも手を差し伸べるのが当たり前の雰囲気のメルボルン。こんな場所で子供を育てたらどうなるのかなぁ、と思い始めている自分・・

んで旦那と相談で順調に妊娠、出産という運びとなりました。‘

そこまでは順調でしたが、出産手続き病院手続きから色々、オーストラリアでの生きるノウハウもままならない状況からのスタートでまぁ色々大変でしたがその件についてはまたいつか話します。

で、先に娘が産まれたのですが、この子がなかなか幼少期大変なお子で、とてもいろんなことに過敏でいらっしゃって人一倍の恥ずかしがり屋でした。スーパーに行って知らない人に微笑んで話しかけられたらギャン泣き、買い物なんてできやしない。

公園で枯葉が風に揺られて動いたらギャン泣き、知らない人と目があったらギャン泣き。私から1歩も離れられず、家から出られず、旦那に預けることもできず、1人の時間も皆無でした。お誕生会に招かれて行っても、知らない人がいると泣くので私1人レストランの外で娘を抱っこして佇む・・。マッチ売りの少女のようにレストランの外側から子供抱いて楽しそうなみんなを眺めて、いったいここに何しに来たんだ状態でした。その後3年後息子も産まれ、両親の助けもないのでそりゃまぁ大変大変。赤子の乳と糞にまみれて髪はボサボサ、着ているものはいつも乳で汚れてるTシャツ。

その頃、日本に住んでいた頃仲良くしていただいていた着物友達はどんどんスターの道を駆け上がり、フェイスブック越しに遠いキラキラしたお星様みたいにすごいなぁと眺めておりました。

自分の姿と比べてその華やかな世界を見ると自分何やってるんだろう・・

この地で何にも仕事のキャリアもないし・・毎日こんなドロドロでおしゃれのおの字もなく大好きな着物も着られず家事と育児で疲れてて・・と思うことも正直ありました。

その頃、一度友人の誘いで日本食レストランで夜働くことになったのですが、

まぁ娘が大変でバイトが入っている日は朝から「今日はマミーが行っちゃう日」と言いながら1日中ギャン泣き、旦那もほとほと困り果てて、バイトから帰ると娘は泣きつかれ、旦那は疲労困憊不機嫌で家の雰囲気は最悪。

もうその辺でこりゃダメだと辞めました。

で、ちょっとこのへんで考え方を変えてみたんですね。

産みたいと思ったのも自分、育てたいと思ったのも自分。全て自分から選んだ事、今すぐ働かなくてキャリアを積んでいく可能性はどんどん低くなるけど0%にはならない。

でも今のこの幼い時の子供たちの笑顔を見られる可能性は将来0%になる。

だったら中途半端に仕事だのキャリアだの思わずに、どうせ学校入ったら離れちゃうんだから、それまではとことん100%育児に真っ正面から付き合ってもいいんでないの?

人生80年だとしたら娘と息子の年齢差は3歳で、息子が小学校に行くのは5歳からだったら3+5の8年間、人生の10分の1、「母の愛とは何か」「何も相手に期待せずただ捧げる愛について」

をじっくり学ぶ修行だと思って愛について本気で取り組んでみる時間としてもいいのではないか?

幸いオーストラリアは子育て中の母には優しい政治の仕組みになっており、小さな子供がいれば飢え死にさせるような事はないだろうし、もう自分の事は後にしてこの8年間は修行としよう。

腹をくくりました。

その辺からまぁ大変ではあったけど気持ち的にはグジグジしなくなりました。

その頃、色々家庭の事情で経済的にもかなり大変で親にもめちゃくちゃ心配されましたが、まぁなんとかなるもんですね。笑

そこからまた数年経って、息子が幼稚園に入るころから、着物が着せられるのなら着付けお願いできるかしら?と知人に頼まれるようになり、小さいのがいるからそれでもいい方でしたらと了承を得てちょこちょこと自宅で着付けを始めました。その頃は独学で振袖着付けとふくら雀くらいまではできるレベルでしたのでまぁ普通の着付けはなんとか大丈夫ってな感じでスタートしたのですが、やり始めると面白くなってきて、もっとやりたくなって来てしまって「本格的に花嫁着付けまでできるようになりたい」と思い始めるようになり、日本に帰国の際に短期で着付けを教えていただける場所を探しまくりました。

その後、本当にラッキーな事に友人の紹介で地元で「子供連れて習いに来てもいいよ」と言っていただける方に出会い、子供をわらわら畳で遊ばせながら、マンツーマンで教えていただき花嫁衣装までなんとか2ヶ月で習得。

下の息子が小学校に入るまで悔いのないよう子育てを100%にする。という自分の中の決まりを作っていたので、晴れて息子が小学校に入学したその月にビジネス登録をしました。

小学校に入ったら育児は終わりか、と言ったら全然そんなことはないですが、それでも9時から3時半までフリーの時間が持てることやお友達との世界が広がって段々と私の元から離れていくことで時間の余裕ができました。

あんなに私の元から離れられなかった娘も小学2年生くらいから段々と変化が生まれ、シャイではありながらも1人で行動できる範囲がかなり大きくなりました。

そこからフォトグラファーのりなさんと出会い、七五三撮影企画など段々と着物スタイリストのお仕事をいただけるようになり現在に至ります。

大きかったのは、今まで近所のママ友だけだった世界がいきなり仕事という関係で子供の関係抜きで交際関係がビックバンのように広がって行ったこと。オーストラリア入国1年目で妊娠だったので、メルボルンのことも全く知らず、そこから8年間近所のスーパーと公園の周りしかウロウロしてなかったのですが、シティにはおしゃれなカフェがいっぱいある事、メルボルン北部にはファッショナブルな服屋さんがたくさんある事、メルボルン10年目くらいでやっと知りました。もともと自分の事を話すのは基本苦手ですが、私の仕事を知って信頼してくれ、いろんな新しい着物の仕事の相談も受けるようになりました。ほんとにありがたいです。

どうしても仕事で子供達の面倒が見れない時には旦那やママ友が沢山助けてすれました。

今となってはあんなに心配した娘も勝手に友達とどっか行っちゃうし、私より自立してるし、過ぎてみればあんなに悩んだのなんだったんだ・・という感じです。

あんなにたまひよ雑誌に穴か開くほど熟読し、小さいことでいちいち心配してた出来事も何年か過ぎてみれば「何かあったっけ?」程度の鼻くそみたいな事でした。

でもあの頃の自分に言いたいのは「あんた、あの時腹くくって子育てに全力を注いでおいてよかったね」って事です。

確かになんの着物キャリアもないとこから着物ビジネスをスタートしたのは39歳。海外で着物ビジネスやってる人なんて全然見つからないし、全てが手探り。それでもなんとか細々と食べていけるまでにはなりました。やっぱりキャリアの可能性は0%にはなってなかったと自分自身に証明できました。そして育児をやり切った悔いのない気持ちもあります。

まぁ人それぞれなので、産んですぐ仕事した方がハッピーの人もいるし、これは個人差ですので、人にもこうしろって感じではないです。

現在の自分はと言ったら多分今は私が一番自立していなくて、仕事終わったら早く家に帰って子供達に構ってもらいたいし、泊まりの出張がある日は夜は家族がいなくて寂しすぎて全然寝られないし、とにかく子供達に構って欲しくて色々ちょっかい出してる母です。笑

まだまだ母としての仕事は沢山残っておりますが、子供達も積極的に助けてくれる年になり、この地で出産し子育てを選択した事に1ミリの後悔もありません。そしてそうする事を承諾して協力し続けてくれている旦那さんにも感謝‘です。

来月には結婚20周年。これからの岡部家はどう変化していくのか?

いつもワクワクしております。

限定3名 きものに着替えるビギナーコースのご説明

ありがたい事にたくさんの方々が私のお店で着物を買ってくださり、その中ででも「まだ自分で着られないんです。でも欲しいんです。自分で着られるようになった時用に。」という方々も沢山いらっしゃいました。

そして今まで本当に沢山の方々に「教室やらないんですか?」と聞かれ、色々思うところもあり、その度にうやむやにしていたのですが、やっとワークショプを開催する事にしました。
なかなかスケジュールの関係でこの機会を終えたら次回いつできるのかは未定なので是非ご都合の合う方でご興味ある方はご参加下さい。
定員3名 1レッスン $40ドル(4回合計160ドル)
日時は4月19、26 5月3日 10日毎週火曜の4回です。
襦袢、着物、半幅帯(浴衣に使うような幅15センチくらいの帯)の着方をお教えいたします。
時間は19:30ー20:30くらいまで
場所は2/9 Parsons Rd Clayton South になります。ここまでは4回全て出席できる方がいいと思います。
この4回の教室は「とりあえず自分で着物に着替えて半幅帯を結ぶ方法」をざっとお教えします。「着付け」という言葉を使うとたいそうに聞こえますが、結局ただ洋服から和服に着替えるだけです。
その後5月17日同じ時間に、ここ80年間くらい着物界で流行っている(?)スッキリ着付けのコツ
24日に名古屋帯のお太鼓締め方の1回参加ワークショップをする予定です。
この2つの申し込み開始は少し経った頃告知いたします。
なぜスッキリ着付けを最初から教えてくれないのか?名古屋帯はオプションなのか?と思いかも知れませんが、それは私は着るに当たってそこまで重要な事だと思っていないので後で興味のある人のみやりたい人だけやればいい。と思っている理由からです。
それ以上に大切だと思っていることは「自分の持っている着物を正面から向き合う、対話する」
「着られるようになる」ではなく「着るようになる」です。
今まで数々の「昔は御免除まで取ったのに」とか「昔は習って着られたのに・・」という方にお会いしました。
自分も着物に目覚めて初めての時、自分で着られるようにと市で運営しているカルチャー教室に通ったことがありましたが、だんだんと上手に着られるようになるとなぜか講師を含めみんなの目標が「着られるようになる→上を目指す→御免除を取る」にいつしかすり替わっている事に気づき、そこで一気に冷めて教室を辞め、そこからは独学で勉強しました。
最終目標が「着られるようになる」だと着られるようになったところで満足し、大体着られるようになったところでやめてしまいます。その後1年に2、3回着ようと思うようでは手は思うように動かないですし、はっきり言って時間とお金の無駄になるのでそれであれば私の着付けサービスをお申し込み頂いた方が安上がりだし仕上がりもいいかと思います。笑
目標が「着るようになる」だと一生着るようになります。実はここにはエンドレスに楽しいことが待っているからです。 それは本当に「着るようになった」方のみが体験できる言葉にはできないスペシャルな経験が沢山あるのです。
厳しい事を言いますが、着物を着るという事を料理に例えるなら着物を着る教室はいわばただの「調理実習」です。みんなでワイワイやってその場では着れた気になるだけです。本当に着れるようになるのに重要なのはその後1人でどこまで着たかという事です。
肉じゃが1つとっても初めて包丁を握った人間が料理教室で肉じゃがの作り方を覚え、毎月少なくとも1回は家で作り続け、自分なりに美味しくなるコツがわかり、さらに何年後かにキムチを入れたりカレー味にしたりといわば着物でいうところに「着崩す」というステージまでいけるようになります。
1年に1回だけ台所に立つようでは料理はできるようにならないのと似ています。
なのでこのコースでは家で何回か着ていただき着姿を画像を送っていただくという宿題が出ます。ということで家でも着てもらうためレンタル等は一切しません。自分の持っている着物を一対一で正面から対話する時間を取っていただきます。
ここでは格やサイズなどは一切問わないので自分の持っている着物のクセ、着心地、見た目を心から体験してください。
亡くなったお母さんやおばあちゃんから頂いた着物は特に、その方と対話する素晴らしい機会です。腰紐と半幅帯がない方はうちの店でもお求めいただけます。とりあえず最初の4回は3本必要です。
最初はサイズも種類もわからないと思いますが、それで大丈夫です。
とりあえずあるもので始めましょう!
必要なもの
Facebookアカウント(グループを作りますが、個人情報などはグループ以外には一切出しません)
きもの(長着)
半幅帯(浴衣帯)
長襦袢 (または2部式襦袢)
腰紐3本
洗濯バサミ1個
(全てうちの店でも購入可能ですので欲しい方は19日より前までにご来店ください)
あと衿芯(これは簡単に作れます)
あれば伊達締め コーリンベルト 帯板
当日は中にキャミソールやヒートテックにレギンスなどを履いてお越し下さい。
ワイヤー付きのブラではなくカップ付きのキャミソールなどが理想的です。
実家から沢山送られてきたけど何がなんだか分からないという方全て持ってきていただければ1時間60ドルでカウンセリングもやっておりますので事前にお申し込みください。
教室がスタートした時点ではどれを着たら良いかという質問に1人ひとりお答えするお時間が取れませんのでご了承くださいませ。
お申し込みはこちらのリンクよりどうぞ!
1回目のみオンラインでお支払い、次回から現金で当日支払いになります。

国際女性デーにまとう水浅葱の色無地

今日は国際女性デー。女性の「主体性、平等、尊厳」の尊重を考える日でもあります。そんな日に選んだのは水浅葱の色無地です。
私の中で理想の女性像のイメージの色の1つとして水浅葱色があります。 その昔、まだ着物に興味を持ってまもない20代前半、 Kimono姫 ( 今の kimono anne)に載っていた笹島寿美先生の着こなしに衝撃を受けたのを覚えています。
 
水浅葱だったかもう少しグレーだったか・・の色無地に袖から覗く襦袢の線と帯締めだけか真赤に引かれていました。
その時、水浅葱と赤のコンビネーションは年を重ねた女性こそ潔くも色気のあるものとして映える素晴らしい色だな。と思ったのを今でも忘れません。
 
着物は年を重ねていくうちについた気迫のようなもので纏ってこそ美しいものもあります。
 
若い女性が着る爽やかな水浅葱もよし、年を重ねた女性が纏う気迫の水浅葱もよし。
 
本当に美しい色です。

外でも内でも着物は着物

通常ですと毎年この頃は毎週水曜日、メルボルンの有名縁日的な”Queen Victoria Night Market”に着物のポップアップショップを出して、お店に来ていただいたお客様に着物を着るのを体験していただいているのですが、

今年はコロナの影響でそちらも無くなってしまいました。残念ですが仕方ありません。

うちに来るお客様の大半は人生において着物をトラディショナルに着たことがないお客様ばかりで、着物の知識もほとんど無いに等しい方がほとんどです。 本当に知らない方だと

「これは何だ?」『Kimonoだよ』

「Kimonoって何だ?」『日本の伝統的な服なんだよ』

「へー!」って方もいらっしゃいます。

そんなところで着物を売っているのでもう日本ではあり得へん質問も多々投げかけられる感じでやっております。

その中でもよく受ける代表的な質問集

Q.着物着た女性のことをGeishaって言うんでしょ?

A.違いますよ、日本では着物を着た女性のことを「着物を着た女性」と言いますよ。

Q,  昔は日本で女性は着物着てたんだろ?その頃男は何着てたんだ?

A. 着物だよ。

Q.なんでこんなに長いの?日本人は背が低いのに

A. 日本では女性の着物は腰のところで紐で結んで長さを調節して着るために長いんです。

Q. あの着物着てる人の背中についてる四角いクッションみたいのは何のためだ?

A. お太鼓結びという帯の結び方なんです。背中を守るためではありませんよ。

こんなのがよく聞かれる質問です。

あまりに日本ではあり得ない質問が多いので逆に「あぁそう見えているんだなぁ」と色々勉強になってます。

ほとんどの人は着物っていうのはわかってもらえてるんです。それで「私着物大好き!」ってな感じで色々質問してくださります。質問がトンチンカンだとしても、たくさんの方に着物や日本が大好きと言ってもらえてここで着物屋をやっていてつくづく幸せだなぁと思います。 ほとんどの方は着物は家のナイトローブに、帯は部屋の飾りとして買っていかれるので、まぁ郷に入っては郷に従えでこの国なりのやり方で着物を楽しんでいただければ嬉しいと思っております。

やはり自分の国のものにちょとでも興味を持ってもらえたり「美しい」と言っていただけるのは本当に日本人として嬉しいですね。

そんな中で、 実はちょっとどころか最強に着物のことを美しい!と知ってくださってる、しかもそれをどんどんいろんな国に発信してくださってる最強な人たちがいるんです!

そんなすごい方々を今日は紹介したいと思います。

まずはAnji、日本在住ドイツ人

彼女のインスタをまず見てもらいたい!

https://www.instagram.com/salztokyo/

彼女のすごいところは日本人の現代の保守的な着物のやり方もちゃんとわかってるけど、海外からアンジーの着物スタイリングを求めてやって来る人にもちゃんとオリジナリティー溢れる表現が出来てる事。海外から来られる方って普段日本で着物を着てる人からすればあり得へん要望って事もたくさん起こるはず。でもその中で柔軟に対応しながらちゃんと彼女のスタイリングの特色を出してるところ。これって実はメチャクチャむずかしいんだよ!

次にSheila、日本在住イギリス人の着物研究家です。

https://www.instagram.com/kimonosheila/

まず彼女の着物文化の知識は半端ではない。本も出版されて日本 で講義もされています。

とにかく知識が半端じゃないです!!

こちらはシエラ自身のスタイリング本、サインもらっちゃった🎶

着物の知識がありすぎる着物愛好家は割と守りに入る着こなし傾向にありますが、彼女は絶対守りに入らない!それどころか新しい事にどんどんチャレンジしていってる。ずっと攻め続けている!私より年上だけどとってもチャーミングで着物の着姿も可愛い。

彼女の持っているそのアートセンスは日本とイギリスで培われたものなのでしょうか?

次にBilly、日本在住のドイツ人です。

https://www.instagram.com/biriinyan/

チェックしてもらいたいのは彼女のYoutube チャンネル。

https://www.youtube.com/c/BillyMatsunaga/featured

着物の知識を英語でも日本語でもとってもわかりやすく創意工夫にあふれた形で紹介してくださってます。 日本語の着物チャンネルで詳しい着物情報が学べるものは数あれど、着物の決まりと現代アレンジをここまで分かっていながら、こんなにも詳しく情報を日本語と英語で紹介しているのは彼女のチャンネルだけではないだろうか?

全て役に立つ情報ばかりです。

日本人で着物好きさんだったら彼女の英語動画見たら絶対英語も勉強できやすいと思うので是非英語勉強にもなるこのチャンネル見てください!

そしてイギリス在住のイギリス人Tia

https://www.instagram.com/tia_oguri/

個人的に黒人の方の着物姿を見るのが大好きな私なので、彼女のスタイリングと着物姿を見るのをいつも楽しみにしています。

最近発表された彼女の浴衣コレクションも彼女の独自性がそのまま生かされててすごい素敵なんです!

https://www.instagram.com/uberdandykimono/

彼女のバックグラウンドから影響された独自性溢れるクリエーションとクールなAttitudeが見事にマリアージュしてて彼女にしか創ることの出来ない世界観。クロスカルチャーファッションとは正にこのことだ!と思い知らされます。彼女の最近の浴衣コレクションUber Dandy Kimonoも要チェックです!

そしてポーランド在住Anna、

https://www.instagram.com/kimonoteka/

ポーランド語での着物本も出されています。

本出すまでに研究したことは数知れずだっただろうなぁ・・。

ちなみにBilly のyoutube チャンネルにこの前 Tia とAnneと私とBillyでイギリス、ポーランド、日本、オーストラリアを結んで生中継でライブトークをやらせていただきました。すごい時代になりましたね。

この素晴らしい方々全てに思うのは、きっと私のようなただ普通に日本で産まれちゃった日本人よりも人一倍いろんな努力をしたり、どーでも良いような誤解に苦労したり、思いもよらない見当違いなコメントなども沢山受けてきたのではないかと思うのです。

逆を言えヨーロッパで活躍してる日本人ソムリエさんがいたとして、文化の違う場所で頑張るためにはヨーロッパ人以上の努力をしないと周りに認められないと思うですよね。多分「お前には俺らの文化はわからない!」なんて言われたら私はそんなことはない、この人はその分努力してるんだ!って思ってしまうわけですよ。

私は日本人でなければ着物の事理解できないなんて1ミリも思わないし、彼女たちの努力と前向きな姿勢には本当に頭の下がる思いです。

あと私の個人的に思うところのある

「文化の盗用(Cultunal appropriation )」という言葉ね。

私は洋服を着ていて「他の文化の盗用するな」と言われた事がない。日本人以外の人が着物を着て文化の盗用と言われるなら私のような者が洋服を着ていても「文化の盗用」になるのではないか?それとも洋服だけが許可のいらない特別な衣服で他のものが違うというのなら、その考えこそが差別ではないか?と思ってしまうわけです。

どんな衣服でもそりゃ服装のマナーやドレスコードはあります。それはその場所に応じた適切な格好をするという事であって「どの国の誰が」というのはまた別の話だと思うんです。それ以上にその文化に敬意を示してくださって発信してくださってる面に目を向けたい!

私は素晴らしい着物文化を紹介してくださってるこの方々にありがとうと言いたいです。

ありがとーーーーー!!!

という訳で、外でも内でも着物は着物でした。