当たり前といえば当たり前なのですが、メルボルンではアンティーク着物屋さんなどを除いて、呉服屋や和装小物専門店などはありません。
あ!帯枕が足りない!とか言っても直ぐに和装小物店に駆けつけて新調するなんてことができないわけです。
マニアックな和装小物が欲しいとなったら日本に行った時に買うか、オンラインで購入するしかないために時間がかかります。
というわけで、こちらに住んでいる間に普段の生活で手に入るもので何か和装小物に代用できるものはないか?といつも目を光らせているのがくせになってしまいました。
その中で見つけたお役立ち小物をちょっとづつ紹介していきたいと思います。
正直、既成の小物よりムッチャ使いやすかったりするのでほとんど和装小物は買うことはなくなりました。
今回は帯板編。
帯板(もしくは前板)ってのは着物着る女性にとっては定番アイテムだったりするのですが、知らない人からしたら「何ですのん?」のミステリーアイテム。
ウィキペディア先生のよると
帯板(おびいた)とは、和服を着用する際に帯の形を整えるために使う小物。別名:前板。
帯を締めたときに前帯にしわが寄って見苦しくならないように、また帯の張りを出すためにも使われる道具である。帯を締めるときに前面に挟み込むか、帯を締める前に長じゅばんの上につけて使用する。[
厚紙などを芯に布を張って作る板状の小物で、プラスチック製のものもある。幅、長さは前帯に隠れるサイズであるが、種類があり、大人の手のひらに余るぐらいの大きさの女児用のものから、帯の前面全体を抑えられる大きさのものまである。
1929年ごろ名古屋帯が商品化され、その後、芯を入れない八寸名古屋帯も考案され、これらの発展とともに帯板が生まれたといわれている。[
近年はレースが接着されて折り返して帯の縁から見せられるものも登場、着付けの補助具から装飾品のひとつになりつつある。
だそうです。
つまりこんなもの
これを帯の間に滑らせてスッキリぴっちり着姿を仕上げるアイテムなんです。
これもなかなか私こだわりがありまして、前にも話した、補正バリバリの鉄の寸胴の戦闘服には大きめの市販の帯板でいいと思うのですが、カジェアルな装いにこれを使ってしまうと、いい感じで力の抜けた着姿にならないのですね。かといって帯板なしで帯締めぎゅっと閉めると帯にしわがよって嫌だわ、ってな感じでちょっと軽めのものが欲しいわけです。つまりはスタイルによって使い分けるわけです。
まぁ、お菓子の箱などをそれなりの大きさに切って使うのもよしですし、でも一番おすすめなのがこれです!
このオーストラリアならどこでもある大手スーパーのグリーンバッグの底板。これを12センチくらいの縦の長さに切ります。横の長さはそのままで。
これが厚さ、軽さ、入れやすさ、コスパ、帯の仕上がり全てをクリアした素晴らしい帯板になっちゃうんです。これに出会ってから普段の私の着物のお出かけは市販の帯板が嫌になってこればかりになりました。是非オーストラリアにお住まいの方は試してみてください。
あと次に携帯用帯板、私、旅行の時など着付け道具を1つのポーチに納めないと忘れ物しがちなので全て1つに詰めて入れたいんですが帯板って小さいポーチに入らないんですよ。でかいから。
そこでこの前衿芯編で出てきたビニールシートの登場です。衿芯5本くらい取ってもまだかなり余ってると思います。厚さは 0.75ミリ〜1ミリがいいかな?それを好みの帯板の大きさに切ります。
それでくるくるっとするわけです。 ビニールに密着性があるのでくるくるのまま留まっててくれます。
これならポーチに入ります。
あと余談ですが、アンティークの着物を帯を幅広に昔っぽく着せたい時は帯板入れないでちょっと体のラインを見せながらクチャってシワが寄っていた方が美しいです。
着物の着姿というのは全くシワが寄っていないのが美しいのではなくて、どこのどのラインとシワを表現するのが美しいかと考えて行くと帯板や補正の考え方が変わってくると思います。補正も帯板もなければいけないものではなくて、自然な着姿を表現したい時はむしろない方がいい時もあります。
これは洋服の時、カーブを強調した補正下着を着て、美しく見えるドレスなどのラインの服もあれば、普通の下着でゆるい感じの方が美しい着姿の服の場合があるのと一緒です。
というわけで帯板編でした。