草を見つめているだけの趣味から金のかかる趣味へ

ここしばらく前ではありますが昔からの趣味の、ただ雑草を見つめているという雑草ウォッチングと、ただ何かが発酵していく過程を見つめているという発酵ウォッチングと言う全く金のかからん2つの趣味に加えてフィルムカメラというブルジョアな趣味が出来ました。

初めて金のかかる趣味です。金のかかる女になってしまいました。

もともとフィルムカメラで撮った写真が大好きで、自分でも始めてみたいとは思っていたのですが、買うまでにはいただずだったのです。ですが旦那の実家に眠っていたContaxG1を使っても良いと言われてそこから「よしやろう!」と決めてスイッチオンしたところ、

全く動かずで・・

修理に出したら

「中が放置しすぎで腐ってるから金かけても直らないかもよ?」

と残酷に告げられ、仕方なくそのカメラについてたカールツァイスのレンズだけ使用し、ボディを中古で買いなおすという変な形でのフィルムカメラデビューとなりました。

とにかくまだ手当たり次第撮っていて、使ってるというより使われているといった方がいいかもしれません。

何枚か「下手な鉄砲も数打てば当たる」的になんとかやっていて自分も満足のいく作品が何十枚に1枚という確率であるか無いかの世界です。

光のコントロール、ピント、被写体の面白さなど表現したいけど出来ないことがまだまだあって、いやはや面白いのです。説明書も読めばいいんでしょうが、説明書が読めない性分でして、とにかく触って覚えよう的にやっております。

とりあえず今までそのカメラで撮った写真。 モデルさんとかに頼んで失敗したらかなり心のダメージ大きいので今は娘にお小遣いを払いながらなんとか頼んで被写体になってもらうことが多いです。(暇なら付き合ってくれます)

うちのカメラデビュー作品

そして現像なのですが、これまたデジカメと違ってフィルム現像をやっているお店に頼まなければいけません。

私の知っている中でのメルボルンでおすすめフォルム現像屋さんを紹介します。

まず一番最近よく頼むのが

Halide supply 

ここは高解像度で35ミリのカラーフィルムであれば$13ドルでスキャンをやってくれます。割と遊びに行くとよく通るあたりに店があるのでアクセスのしやすさがウリ。撮り終わったフィルムを店に持って行って1〜2時間でデータが届くという早い安いそこそこ美味い!が気に入っている理由です。

次にFilm Never Die 

ここはフィルムカメラオタクの通う店です。シティにあるのでシティで仕事が‘終わった後にはいきやすいところ、いろんなフィルムの現像にも対応してるし、カメラやフィルムも売っています。店が閉まっていていても、店の前にはフィルムや写ルンですが並んだ自動販売機があるので便利、

その横には妖怪ポストも設置されてます(この妖怪ポストについては後で詳しく書きます)

時々フィルム愛好家が集う遠足も企画しているのでフィルムカメラ仲間を作りやすい感じにもなってます。ここは35mmカラーフィルム現像とスキャンで$13ドル 通常2、3日かかります。

そしてもう1箇所というか、ここはさっきもちょっと話した「妖怪ポスト」のみ使ったことがあって、実際の店舗はうちからかなり遠いので行ったことがありません。

Hillvale photo

ここは現像のクオリティは好きなのですが、データが届くまでにちょっと時間がかかるのでせっかちな自分は早く写真が見たいので最近ここ使ってないなぁ・・

このポストはシティ周辺やおしゃれ街フィッツロイ数カ所に設置されているこのような白い箱です。

そのポストの側面にはこのような封筒が設置されているので、自分の希望の事項をチェックしてフィルムを封筒に入れてポストに入れると、データが届くという仕組みです。

データはどこの店もDropboxなどクラウドを通して来ます。スキャンが終了すると店側からお知らせが来るので指定のアカウントにクレジットカードなどで支払いを済ませるとデータが見られる仕組みになっております。

いつ誰がこのポストに入れたフィルムを回収に来るのかも謎だし、データ写真という目に見えるけど実態のないものが届くあたりがまさにゲゲゲの鬼太郎に出て来る妖怪ポストみたいなのでこのポストを個人的に妖怪ポストと名付けています。どの店も現像後のフィルムは希望すれば有料で返送してくれます。

そしてこの封筒の書き方ですがまず自分の名前、住所、電話番号、メールアドレスなどを書き込んだ後、

フォルムの種類、白黒かカラーか 高解像度か低解像度どちらが希望か 現像だけして欲しいのかスキャンもして欲しいかをチェックします。

そして後のフィルムは郵送して欲しいのか、それとも店に取りに来るか・はたまたもう要らないかを記入し、追記で何かお知らせしておきたいことがあったら最後の空欄に書き込みます。

これでしばらく待つわけです。

どこの店も良いところは、写真がクラウドを通して届くのでデータ管理がしやすい!うちのパソコンDVD入れるとこないし、USBだとたくさんたまって来ると何がなんだかよくわかんなくなっちゃうので、来たデータはまた私個人のクラウドでデータを月別やテーマでカテゴライズして管理してるわけです。

時々、自分が外出していて、パソコンが近くにない場合でも携帯からクラウドを通してデータをダウンロードできるのでとっても便利!

デジタルカメラでもいろんな画像加工ソフトでレトロ風にしたりも出来る世の中なんですが、やっぱりなんかちょっと仕上がりの深みが違うんですよね・・。

食べ物で例えたら、今日作ったカレーか次に日に残ったカレーで作るカレーうどんかくらいの差です(例えになってない)

そして好きなフォルムカメラのフォトグラファーさんを見つけると、もっとこういういう風に撮れるカメラが‘欲しいとかレンズが欲しいとか欲が出て来てしまうんですよ・・ちなみに私が今欲しいのはこのコンタックス用の35ミリレンズです。5万は確実にするな・・ロックダウンで仕事もなくなったから遠い夢となりました 笑。

フィルムカメラを現像に出して待っている間はまるでクリスマスプレゼントを待っている子供のようなワクワクした気持ちになります。

こんなワクワクは本当に何年ぶりだろう・・。今のご時世なんでもかんでも瞬時に物事が片付いてしまって「待つ」というワクワクがなくなって来てしまいました。昔は写真も出来上がりを「待つ」文通でも「待つ」のが当たり前、この待つ時間は無駄な時間では決してなくより人生をより豊かに輝かせてくれる素晴らしいゆとりの時間この時間にどんなものが来るんだろうと想像力を働かせながら自らをを楽しませている事がわかりもうフィルムカメラの趣味がたまらなく愛おしい時間になっております。

またロックダウンが解除されたら一人でカメラの遠足に出たいと思っております。