「日々徒然」カテゴリーアーカイブ

味噌汁を味わうように和服を着るのだ。

今までにこんな経験は無いでしょうか?

待ちに待った1週間のフランス旅行。パリのレストランやカフェを廻ってグルメツアー。最初の1、2日目、パンやチーズのおいしさに「やっぱりヨーロッパだよね」と感激。

しかし1週間も経つ頃、毎日食べる外国っぽい味ざんまいで胃袋ちょっとお疲れ気味で帰国。日本の自宅に帰ってき久しぶりに食べる炊き立てのご飯とお味噌汁の味。体中に染み渡る出汁の味・・・。「あー!日本人で良かった」と思うまさに至福の瞬間。

実はこれ、「食」だけでなく「衣」でも起こりうることなんですね。

それが日本人における着物なんだと思います。

自分にその瞬間が訪れたのは忘れもしない24歳の時でした。


10代の頃まではアメリカの50‘sファッションやカルチャーが大好きで、その50’sの音楽の影響も受け、当時そのシーンが盛り上がっていたはロンドンに19歳の頃遊び半分、英語半分で留学していました。

ロンドンの50‘sシーンのファッションはめちゃめちゃカッコよく、クラブで盛り上がっている50’sスタイルのファッションに身を包んだイギリス人の女の子達はまるで映画のワンシーンを見ているようでした。私も少ない小遣いを貯めて古着屋さんを巡り同じようなファッション真似しましたが、どう頑張っても彼女たちのように可愛くなるには程遠い感じでした。

不完全燃焼のまま月日が経って日本に帰国し数年日本で働いた後会社を辞め、3ヶ月アジアを放浪する事になりました。

インド放浪している途中ガンジス川のほとりで見た川で洗濯する女性たち。朝日に照らされて彼女達が着ているサリーはキラキラと輝いているようでした。

お世辞にも裕福と言えない彼女たちの衣装でしたが、その美しいインドの光景と重なって、これほどまでに民族衣装と言うものはその土地の女性を美しく見せるのかと感動したものです。その瞬間全く予想をしていなかった考えが頭をよぎりました。

その5秒前まで全く興味が無かった自分の国の民族衣装。着物が着てみたい!と。

日本に帰ってくるやいなや、何も知識がないのに呉服屋さんに飛び込み、とりあえず店頭のワゴンに入っていた居酒屋のスタッフが着ているような2部式の着物をこれなら自分で着られるだろうと買い、家に帰り試着。2部式着物はラップスカートと上が紐で縛るだけのカーディガンのようなものなので誰にでもすぐ着られます。

お世辞にも素敵な気姿とは言えなかったと思いますが、その瞬間に海外旅行後の炊きたてご飯と味噌汁を口にしたときのような遺伝子レベルで染み込む感覚。

体になじむ不思議な感じ。これ絶対日本人の私に似合わない筈が無い!と思った瞬間でした。

今まで50年代のアメリカンファッションが好きだった私は、どうあがいてもドレスは私の体になじまないと言う悩みを持っていましたがそれを一気に克服した気分でした。

そこからあの時代はyoutubeもなかったので近所の教室で基本的な着付けを習い、何とかそこからも独学で練習して自分で着られるようになり、たくさんの買い物の失敗しながらも、だんだんと自分のスタイルと言うものが分かってきました。やはりアメリカの50年代のファッションやデザインが好きなのは今でも変わりませんが、着物をベースとしてその上に自分の好きなデザインを盛り込むことによって、等身大でありながらも自分の憧れるスタイルに持っていくという技も学びました。自分の好きなスタイルでいながらも着物を着こなす事は可能なんです。

今世では残念ながら憧れのグウェン・ステファニーみたいなルックスで産まれなかったけど、日本人として生まれ持った自分の土台の中でどう勝負するか、何が似合うのかを考えるようになりました。

今までディスアドバンテージだと思ってた背が低くフラットな体のライン、手足が短く胸やお尻が出ていない洋服の時のコンプレスクスだった要素が基本的には着物では全部アドバンテージであることもわかりました。

自分のありのままの体つきをアドバンテージにしながらも好きなデザインを着られる、そうやって私の着物好きはどんどん拍車がかかって行きました。

2002年には着物界のルネッサンス的事件Kimono道(現在Kimono anne)発行。まさに夢のような世界観・・。アァ、好きな着物を好きなように着ていいんだ!もうこの本に後押しされて着物が大好きになった女子も多いと思います。この辺からはもう私はこの沼から出ることは出来ないと確信しました。

それから約20年余りが経ち、オーストラリアに拠点を移動しましたが、今でも炊きたてご飯と味噌汁を食べるように着物を楽しんでいます。

体にまとって感じる「あー日本人でよかった」感。いつか皆さんも体験してもらいたいなぁ・・。

文字起こしアプリを使ってみた

今日はiPhoneのTexterと言うアプリを使って自分でしゃべっている言語を文字に起こしてもらうと言う実験的なブログをやってみようと思います。

私はタイプするのがとても苦手で、よく間違えてしまうので。こういうアプリがあるといいなと思っていました。後で句読点をつけなければいけないと言うちょっとした作業はありますが、これならもうちょっと頻繁にブログをアップできるかなぁと思ったのです。

コロナの影響で家にいることが多くなり、色々と考えたい試行錯誤する日々が続いていますが、それは私だけではないと思います。

いろんな人がこれからどうありたいか、どう進もうか考えていく大切な時期でもあると思います私もまだ考えが頭の中でぐちゃぐちゃになっていてそれを解決策は見つかっていません。でもきっとそれなりに導かれていくのではと言う気がしています。

がむしゃらにやっても仕方ないけど自分で気づいたことや導かれたことにはアンテナを立てながら進んでいこうと思います。

Kimonoの事は続けていくつもりですがもしかしたらちょっとやり方も変えていくかもしれませんどうやって変えていくかはまだわかりません今まで頑張ってきた中でアクションやつながりの中でまた新しい何かが見つかるといいなと思っています。

前向きに考えて楽しいことワクワクすることを模索していきたいと思います。励まし合ってやっていける仲間がいることをとても感謝しています。声をかけてくださる方々もいることがとても嬉しいです。

これからも何か皆さんに私の今までオーストラリアで経験してきたことが皆さんの何かしらのお役に立てるようにアウトプットしていく方法を考えていきたいと思います。

このアプリいいわー!というブログでした。

ちなみにロックダウン中に家で撮った家族写真です。

うちの母の姉から譲られ、私が中3の時に姉の結婚式でいやいや着せられた振袖(あの頃は着物に全く興味がなく、洋服で行きたかったのに母に無理やり着ろと言われたため)

うちの娘はそこまで嫌がらずに着てくれました。笑

草を見つめているだけの趣味から金のかかる趣味へ

ここしばらく前ではありますが昔からの趣味の、ただ雑草を見つめているという雑草ウォッチングと、ただ何かが発酵していく過程を見つめているという発酵ウォッチングと言う全く金のかからん2つの趣味に加えてフィルムカメラというブルジョアな趣味が出来ました。

初めて金のかかる趣味です。金のかかる女になってしまいました。

もともとフィルムカメラで撮った写真が大好きで、自分でも始めてみたいとは思っていたのですが、買うまでにはいただずだったのです。ですが旦那の実家に眠っていたContaxG1を使っても良いと言われてそこから「よしやろう!」と決めてスイッチオンしたところ、

全く動かずで・・

修理に出したら

「中が放置しすぎで腐ってるから金かけても直らないかもよ?」

と残酷に告げられ、仕方なくそのカメラについてたカールツァイスのレンズだけ使用し、ボディを中古で買いなおすという変な形でのフィルムカメラデビューとなりました。

とにかくまだ手当たり次第撮っていて、使ってるというより使われているといった方がいいかもしれません。

何枚か「下手な鉄砲も数打てば当たる」的になんとかやっていて自分も満足のいく作品が何十枚に1枚という確率であるか無いかの世界です。

光のコントロール、ピント、被写体の面白さなど表現したいけど出来ないことがまだまだあって、いやはや面白いのです。説明書も読めばいいんでしょうが、説明書が読めない性分でして、とにかく触って覚えよう的にやっております。

とりあえず今までそのカメラで撮った写真。 モデルさんとかに頼んで失敗したらかなり心のダメージ大きいので今は娘にお小遣いを払いながらなんとか頼んで被写体になってもらうことが多いです。(暇なら付き合ってくれます)

うちのカメラデビュー作品

そして現像なのですが、これまたデジカメと違ってフィルム現像をやっているお店に頼まなければいけません。

私の知っている中でのメルボルンでおすすめフォルム現像屋さんを紹介します。

まず一番最近よく頼むのが

Halide supply 

ここは高解像度で35ミリのカラーフィルムであれば$13ドルでスキャンをやってくれます。割と遊びに行くとよく通るあたりに店があるのでアクセスのしやすさがウリ。撮り終わったフィルムを店に持って行って1〜2時間でデータが届くという早い安いそこそこ美味い!が気に入っている理由です。

次にFilm Never Die 

ここはフィルムカメラオタクの通う店です。シティにあるのでシティで仕事が‘終わった後にはいきやすいところ、いろんなフィルムの現像にも対応してるし、カメラやフィルムも売っています。店が閉まっていていても、店の前にはフィルムや写ルンですが並んだ自動販売機があるので便利、

その横には妖怪ポストも設置されてます(この妖怪ポストについては後で詳しく書きます)

時々フィルム愛好家が集う遠足も企画しているのでフィルムカメラ仲間を作りやすい感じにもなってます。ここは35mmカラーフィルム現像とスキャンで$13ドル 通常2、3日かかります。

そしてもう1箇所というか、ここはさっきもちょっと話した「妖怪ポスト」のみ使ったことがあって、実際の店舗はうちからかなり遠いので行ったことがありません。

Hillvale photo

ここは現像のクオリティは好きなのですが、データが届くまでにちょっと時間がかかるのでせっかちな自分は早く写真が見たいので最近ここ使ってないなぁ・・

このポストはシティ周辺やおしゃれ街フィッツロイ数カ所に設置されているこのような白い箱です。

そのポストの側面にはこのような封筒が設置されているので、自分の希望の事項をチェックしてフィルムを封筒に入れてポストに入れると、データが届くという仕組みです。

データはどこの店もDropboxなどクラウドを通して来ます。スキャンが終了すると店側からお知らせが来るので指定のアカウントにクレジットカードなどで支払いを済ませるとデータが見られる仕組みになっております。

いつ誰がこのポストに入れたフィルムを回収に来るのかも謎だし、データ写真という目に見えるけど実態のないものが届くあたりがまさにゲゲゲの鬼太郎に出て来る妖怪ポストみたいなのでこのポストを個人的に妖怪ポストと名付けています。どの店も現像後のフィルムは希望すれば有料で返送してくれます。

そしてこの封筒の書き方ですがまず自分の名前、住所、電話番号、メールアドレスなどを書き込んだ後、

フォルムの種類、白黒かカラーか 高解像度か低解像度どちらが希望か 現像だけして欲しいのかスキャンもして欲しいかをチェックします。

そして後のフィルムは郵送して欲しいのか、それとも店に取りに来るか・はたまたもう要らないかを記入し、追記で何かお知らせしておきたいことがあったら最後の空欄に書き込みます。

これでしばらく待つわけです。

どこの店も良いところは、写真がクラウドを通して届くのでデータ管理がしやすい!うちのパソコンDVD入れるとこないし、USBだとたくさんたまって来ると何がなんだかよくわかんなくなっちゃうので、来たデータはまた私個人のクラウドでデータを月別やテーマでカテゴライズして管理してるわけです。

時々、自分が外出していて、パソコンが近くにない場合でも携帯からクラウドを通してデータをダウンロードできるのでとっても便利!

デジタルカメラでもいろんな画像加工ソフトでレトロ風にしたりも出来る世の中なんですが、やっぱりなんかちょっと仕上がりの深みが違うんですよね・・。

食べ物で例えたら、今日作ったカレーか次に日に残ったカレーで作るカレーうどんかくらいの差です(例えになってない)

そして好きなフォルムカメラのフォトグラファーさんを見つけると、もっとこういういう風に撮れるカメラが‘欲しいとかレンズが欲しいとか欲が出て来てしまうんですよ・・ちなみに私が今欲しいのはこのコンタックス用の35ミリレンズです。5万は確実にするな・・ロックダウンで仕事もなくなったから遠い夢となりました 笑。

フィルムカメラを現像に出して待っている間はまるでクリスマスプレゼントを待っている子供のようなワクワクした気持ちになります。

こんなワクワクは本当に何年ぶりだろう・・。今のご時世なんでもかんでも瞬時に物事が片付いてしまって「待つ」というワクワクがなくなって来てしまいました。昔は写真も出来上がりを「待つ」文通でも「待つ」のが当たり前、この待つ時間は無駄な時間では決してなくより人生をより豊かに輝かせてくれる素晴らしいゆとりの時間この時間にどんなものが来るんだろうと想像力を働かせながら自らをを楽しませている事がわかりもうフィルムカメラの趣味がたまらなく愛おしい時間になっております。

またロックダウンが解除されたら一人でカメラの遠足に出たいと思っております。

ロックダウン中の制作作業

3月の中盤よりオーストラリアのビクトリア州がロックダウンいたしまして早1か月以上が過ぎました。

着物業など生活に絶対必要なものでもないしであっという間に仕事もなくなり、ほとんど無職になりました!

食料などの必要なものの買い出しや、エクササイズ目的以外は外出を禁じられ、家族や同居人以外で3人以上で会うことも禁じられ人と会うこともできなくなってしまいました。違反した場合には日本円で10万円くらいの罰金になってしまうのでかなりシビアです。

学校もオンラインでの授業が開始され、子供達とだいたい家で過ごしています。

ずっと家にいてストレスもたまってくる頃・・と言いたいところですが、もう毎日が楽しくて仕方ありません。

だって家で好きなことだけに没頭できるんです。

お金の心配はややありますが、長期の家族旅行に出かけていると思考をチェンジしたら毎日家族でゆっくりコテージにでも滞在している気分で家を楽しむホリデー!と思ってそうなったら旅行中って収入ないのが普通だよね?ホリデーにしか楽しめない事たくさんするぞ!って気分で毎日過ごしております。

イライラ過ごしていたって、楽しく過ごしていたって、どっちにしろ現状出かけられないし、仕事もないんだから楽しく過ごさなきゃ損でしょ?てな感じです(子供達はどう思ってるか知らないけど 笑)

とりあえず今は自分のホームページの内容ををアップグレードするためにレンタルリストの着物のスタイリングを考え直したり、写真を撮り直したりしています。

ロックダウン前に買っておいて正解だったもの、それは3歳サイズのトルソー。

着物を床に置いてスタイリングを考える2Dとトルソーに着させて考える3Dとでは3Dの方が何十倍もイメージが広がる!

そしていつかまた再開できた時の七五三イベントのために被布も3着作りました。仕事の予定もないし、子供の送り迎えの予定もないので1日中制作に没頭できるなんてなかなかそんな機会ないですよ!

まず最初に男児用水玉被布、

モダンな着こなしご希望な方にぴったり。次におよそ100年前の黒留袖をリメイクした作った黒被布

 房はまだ買いに行けないので私のピアスのタッセル乗せてるだけです。なかなか日本であってもここまで素敵な留袖に出会う事もないので超自慢の逸品です。

生地はまだしっかりしてたけど、糸はもう流石に100年も経ってるとぶちぶち切れてて、それを解いて中にびっしり綿貼ってあったからそれも出して、水通ししてアイロンかけて仕立ててでなかなか大変だったわ・・

でもそれだけ頑張った甲斐はあるわ。

そしてユニセックスなベルベットの被布。こちらもアンティークの着物によく似合います。

あー!なんて可愛いんでしょう!(自画自賛)

そうそう、私個人的なご提案なのですが、3歳の時には是非被布をお勧めいたします!

といのは着ている時にお子様が楽なのが帯姿よりも被布姿だからです。3歳と言いますとまだまだ場所見知り、人見知り、いやいや期 などと色々ある時期です。その頃は帯より被布の着替えがパパッと済みますし、お子様の不安も多少軽減されるかと思います。

3歳男児に至っては袴は窮屈で動きにくく、多少着替えに時間がかかるため、普段の生活にない事に対するお子様の不安が多くなる可能性がありまして、お子様がなるべく笑顔でいられるようにと被布姿に限らせていただいております。 

3歳の袴はないんですか?と聞かれることもあるのですが、ごめんなさい、実はそういう理由からなのです。屋外でのロケーション撮影ですとスタジオ撮影と違い、長時間着ていないといけないという要素もありまして、なるべくリラックスできる衣装で多少暴れても大丈夫な被布をお勧めしている次第なのです。でももしご自宅など屋内の撮影でお子様もあまり不安がらない感じでしたら3歳の袴もご相談していただければ用意できますのでその時はご連絡ください!

でも逆に考えれば5歳や7歳のお祝いではもう被布を着ることは出来ません。この幼い時のお祝いの時にだけ見られる可愛い被布姿、是非楽しんでください!

最後に可愛い師匠の被布姿

ものの時代から体験の時代へ

今回の日本行きがキャンセルになり、色々な日本での予定もキャンセルせざるをえない状況になり、3月25日に予定していたRobe Japonicaさんとのトークイベントを予約していただいていた皆様にもご迷惑をかける形となってしまって申し訳ありませんでした。

皆さまにお会いできるのを本当に楽しみにしていただけに悔しさが残りますが、いつかまたリベンジを果たしたいと思います。

個人的に楽しみにしていた日本でやりたかったことも沢山ありました。

1つは喫茶店。昔ながらの喫茶店が大好きで(カフェでないよ喫茶店だよ)ちょっと路地裏に入って外回りのサラリーマンがランチを食べに入ってくるような地元密着型喫茶店でコーヒーを飲みながら日替わりランチを食べてゆっくりとした時の流れを過ごすと「あー日本に帰って来たぁ」という気分になります。

後2つ目は、雑草フェチなので実家の近所の裏山をウロウロ歩いて春に顔を出す雑草の新芽を見ながら歩いてその空気に触れるのも至福の時です。

メルボルンもかなり便利になり、ダイソーもユニクロも無印良品もラーメン屋さんも、日本食材屋も近所のショッピングモールにあります。ネットショッピングで色々買えるしとにかくそれほど「日本に帰ったらこれ欲しい」というものはなくなりました。

しかし喫茶店でコーヒーを飲みながらママとサラリーマンの会話と流れるラジオを聞きながら過ごすゆっくりとした時間や、木漏れ日の中をツクシやフキノトウやどくだみの新芽を見つけながら歩く時間、その「体験」というものはその場所に行かないと得られないもの。

そうこれからの時代 溢れる商品たちにちょっと飽きが来た人々が喜びを感じられるもの、それは「時」と「体験」だと思うんです。

それは着物にも言えると思います。

着物は確かに洋服よりも着る時間がかかります。

準備にも時間がかかります。慣れて来ても着付けは10分から20分くらいかかります。洋服を着る時間と比べたら数倍です。選ぶのにも時間がかかります。でもその時間を「価値のある体験の時間」という視点で見てみたらどうでしょう?1つ1つを重ねる「時間」季節やイベントやこれから会う人などを考えながら選ぶ小物たち。

全ては貴重な体験の時間だとすれば、その時間は急ぐことはない。着慣れないうちは時間がかかって焦ってしまうかもしれませんが、着付けが慣れた頃、その「時間」は大切な「嬉しさを重ねる時間」になります。

それには何回も着て慣れる事です。「着物を着られるようになった」から「着物に着替える普段の時間」になるまで是非皆さん着て着て着まくってください。


女の黒紋付

着物を販売するようになってから、在庫整理も私の仕事となりました。

大量に日本からやって来た着物たちを全てコンディションを確認したり、カテゴリー分けしたり、値段をつけたり、作業場で1人黙々と山のような着物や帯と格闘する時間です。

でも一番好きな作業。あぁ、この着物にはこの帯が似合うなーとか行って帯を探し出して当ててみて「やっぱりかわいいわぁ・・」なんてすぐに脱線するので時々仕事してるんだか遊んでるんだかよくわからなくなってくるときがあります。

着物や帯は1つ1つ語りかけてくるので、どんな人が前に着ていたのかなぁ 今度はどんな人が着てくれるのか中なんて想像しながら話し相手になってあげたりします。

女性用の黒紋付がそれはもう沢山入って来ます。

今では「喪服」と呼ばれ、不幸の席に着るだけの着物という間違った認識で縁起悪いと日本では売れずにここにたどり着いた子達が沢山いるのです。ほんとは慶の席にも着られる美しい子達なのに・・。

その証拠とも言うべき古い黒紋付には比翼仕立てで(裏にもう一枚襲られている今では黒留袖などにみられる白のピラピラした布 現代の黒紋付には不幸が重なるとかなんとか言い出して付いてません)身八つ口(脇の空いたところ)ところからはちらりと緋色がのぞいています。

裾のふきにはたっぷりと綿が入り、まだお引きずにで着ていた頃、およそ100年前のものではないかと推定されます。

喪服が黒紋付というイメージになったのは昭和40年頃から、それまではお祝いの席にも着られていたんです。そんな子は「私は不幸の席だけで着られていたわけではないのよ」って話しかけてきているような気がするのです。

でもオーストラリアの方達はそんな間違ったマイナスイメージは全くないので黒紋付大人気です!

素晴らしい縮緬の感触と、黒の中に浮かび上がる白い家紋が「Cool!]」と言って買われて行きます。 ほとんどみなさんHouse Robe(家でくつろぐ時にはおるバスローブみたいなもの)として買われていくので着付けとかも関係ないし背が高い方だと対丈でちょうど足首くらいまでいくのでいいみたい。所変わればスタイリッシュなHouse Robeになっちゃう黒紋付の物語でした。

ドラクエ的和服ゲーム

インスタグラムで2つ目の動画をアップしました。

小4の息子が2つとも動画編集をやってくれました。
Ipadで小学生がこれだけの編集ができる世の中ってすごい・・

彼自身youtubeのチャンネルを持ちたいという希望で(夢はこれでお金持ちになる事だそうですが)やらせています。
モラルに沿っているかという最終チェックは親がしますが、アイデアから録画、編集などは全て彼自身がやっています。

私のこの中での教育目的は、ストーリー構成を考える力がつく(みんなが興味があって見ていて楽しく作らなければいけない)それをカメラに前で話す力がつく(スピーチ力がつく)動画編集力がつく。てな感じです。

まだ数本の動画をアップしただけですが、彼のこれらの力は格段に伸びました。特に動画編集力の伸びがすごい! フリーのアプリでこれだけの編集が短期間でできるようになるのはなかなかです・

というわけで、今回は彼に「マミーは今回はお金を払うから(お小遣いをあげる程度ですが)動画を編集やってくれる?」とお仕事の依頼をしてみました。 今まではマミーのマッサージや草取りなどを手伝ってくれたらお小遣いをあげていたのですが、全て彼の興味のない事なので、仕事=つまらないもの、でもお小遣いがもらえる。てな感じだったのですが、今回は違います。

彼の大好きな動画編集をやらせてもらって、しかもお金がもらえるって事が意味がわからなかったようで,「いいよお金は。」と言っていたのですが。
私の彼への説明はこんな感じでした。 「これはマミーからのお仕事の依頼だよ。あなたは動画編集力がマミーよりも優れているから、そのスキルに対してマミーはお金を払いたんだよ。好きな事でもなんでも、あなたのスキルが誰よりもその世界で優れた能力があって、それで人に対して役に立てるなら、それはお金をもらう価値がある事なんだよ’。だから好きな事で仕事ができたらとてもラッキーなんだよ。マミーも着物が大好きで大好きで、それをお仕事に出来たからとてもラッキーなんだ。だからあなたは大好きな事をとことんリサーチしてスキルを磨いたら、大きくなったらそれでお仕事ができるかもしれないんだよ。だから将来は貴方にこの仕事をやってもらいたいと思われるような人になるように頑張ってみるってのもいいかもよ」
てな感じで。

これからは個人個人のブランド力が大きな意味を持つ時代だとも言われていますが、若いうちはなかなかその自分の魅力に気づくことが難しい。でも若いうちに気づいたらそれはそれはまた一つの武器になる。
人間はそれぞれいろんな武器を持っていて、人の武器が魅力的に見えて羨ましく思えることもある。でもその人の武器を羨ましく思うより、自分に与えられた武器をどのように十分に発揮するには?を考えてった方が割と人生のゲームが楽しく進むことになることもあると思うのです。
自分の武器を楽しく効率よく使ってみる。
私の場合は「胴長」「撫で肩」「小背」「貧乳」という武器が「和服で遊ぶ」というゲームに向いていると感じ、そのゲームの中で楽しんでいます。

よく「人生なんてドラクエだよな」と考えていたのです。
それぞれ勇者、魔法使い、遊び人 などなどそれぞれに得手不得手があって、その個性や武器をうまく使いながらゲームが進んで行くのですが、 私の中ではそのゲームの勝者ってのは最後の竜王を倒すのということでもなく、お金をむやみに沢山稼ぐ人でもなく、経験値ばかりあげるのでなく、ゲームのコントローラを握っている自分自身が「あー・・・このゲーム(人生)めっちゃ面白い!」とどれだけ感動できたかどうかだと思ってるのです。

などと1人で昔から心密やかに思っていたのですが、
なんと!そんな本が出ていました! もちろん買って読みましたよ。

同じこと考えている人いた!笑 (しかも本まで出してた!)

あ、ついでに彼のYoutube チャンネルはこちらです。

Green back TV

Green back English Channel

紬の探求

色々整理してて、触った瞬間に「なーんかいい生地だなぁこれ・・」

と見入ってしまったデッドストックの紬生地

かなり古そうな感じではありましたが、未使用の状態なのもあってまだほんとに美しい張りがありました。

うっとり眺めてしばらく見ていると、ん?値札?付いてる?

んで値札が付いててまたびっくり、215000円?

いやよくよく見るとコンマの位置が違うよね・・。

2150円(0銭) まだ銭が通過として使われていた頃のものと思われます。

そっから探求の旅です。銭が通過として廃止されたのが1953年 第二次世界大戦が終わったんが1945年。ということは戦中もしくは戦前に作られた紬生地。産地は伊勢崎でした。

伊勢崎といえば銘仙 昭和初期に流行った銘仙もあるので紬も納得。

仮に1940年代に作られたとして、1946年頃の大卒銀行員初任給が220円 それの10倍?めっちゃ高いやん!

しかも電話番号2桁ってのもすごい!どこだ高森呉服店?!

娘の卒業式きものコーデ

romuji kimono and Black formal Haori style for my daughter’s graduation ceremony.

This blue Iromuji pattern is called “Tatewaku/Tachiwaki” this pattern is used since  Nara era (7C.) in Japan. This design looks like rising steam.  “Rising ‘ is one of good luck symbol in Japan.

And this Obi belt ’s triangle design is called “ Uroko” it means scales. Scales protect against bad lucks or misfortunes. This pattern has been used since B.C. so I assume it is one of very old pattern. It’s nice to learn old pattern meaning for kimonos.

先週末は娘の日本語補習校の卒業式でした。日本の昔ながらの卒業式に式中何度泣きそうになったことか・・笑

オーストラリアの現地の学校はあっさり楽しくパーティーして終わってあまりにも普段通りにスタートするので日本人の私としては「え?何もないの?」とかちょっと物足りなくなっちゃいますねぇ・・

やはりああいう厳かな式はいいですわ。

Processed with VSCO with f2 preset
Processed with VSCO with f2 preset

というわけでこの日は色無地に黒羽織姿で行きました。 

色無地の地紋は立涌模様、立ち上る湯気をデザインした模様は吉祥模様の一つです。 この模様はシルクロードを渡って日本には奈良時代くらいからあるようです。

そして袋帯は鱗模様。鱗が悪いものから守ってくれるという意味でこちらもいい模様。こちらはもっと古くて弥生時代からあるとか。

こんなに古くからあるデザインなのに、今にも通じるモダンなデザイン。ほんとすごい・・・文様おそるべしですよ

あ、余談ですが、鱗模様は女の心に住む鬼を戒めるための模様でもあるそうなので、夫婦喧嘩が勃発しそうな時はこの模様のもの身につけましょうか?笑

立涌模様に「成長」と鱗模様に「厄除け」を願ったシンプルだけど子供を見送る母としてはいい感じにできたと思います。やはり色無地最強や!

んで卒業式終わって二次会のトランポリンプレイセンターへはいつもの洋服に着替えて行きました。

はじめに

こんにちは、オーストラリア、メルボルン在住Kimono StylistのSala  です。

ブログは今までインスタグラムそのまま移したページがありましたが、今回ちゃんと独自のブログを持とうと思ったきっかけは、やはりインスタグラムだけでは伝えきれない説明など、ブログの方がそういう時に便利なんではないかと思ったわけでして。

とりあえず自分が何者かという説明をしておきます。

Kimono Stylistではありますが、結婚式や記念撮影などの着物の他装の他にも色々やってます。

メディアなどのためのモデルさんの特殊スタイリングや個人のスタイリングアドバイス。着物レンタル、着物販売、ワークショップなどなど・・とりあえずここメルボルンでkimonoって言えばこいつに聞いとけ的になんでも来ます。

半分以上多分日本にはない感じの仕事内容でして、

日本の今あるガチな和装の形を求めているわけでない人も少なくないのでその辺は柔軟に対応してその方の求めているスタイリングがなんなのかお客様に対応しながら進めていきます。